トランプ氏警告 イランが米国内で潜伏工作員を動員か

2026/03/10
更新: 2026/03/10

米トランプ大統領は3月9日、イランがアメリカ国内で潜伏工作員を動員しようとしていると警告した。アメリカ情報機関はこの動きについて「常に綿密に把握している」と述べた。

トランプ氏は同日の記者会見で、イランが潜伏要員と連絡を取り、アメリカ国内の標的への攻撃を準備している可能性があるとの報道について質問を受け、「この件について、我々は非常に、非常に優れた情報を持っている。すでに起きている多くのことを把握している。状況は非常に深刻だ」と語った。

これに先立ち、米メディアは連邦政府が全米の法執行機関宛てに出した警報の内容を報じた。それによると、アメリカはイラン発とみられる暗号通信を傍受しており、情報当局はこれが国外に潜伏する「スリーパー・セル(潜伏工作グループ)」への「行動開始の合図」であると警戒を強めている。

スリーパー・セルとは、長期間にわたり特定の国に潜伏する秘密情報要員を指す。表向きは一般市民として生活しているが、指令を受けた時点で任務を開始する。単独で活動する工作員もいれば、複数人で構成する秘密工作グループの場合もある。

米ABCニュースが入手した警報文書によると、「イラン発の可能性が高い」とみられる通信信号の初期分析の結果、イラン最高指導者ハメネイ師の死亡後まもなく、その信号は複数の国を経由し中継していたことが判明した。

傍受された信号は暗号化されており、解読用の鍵を持つ「秘密の受信者」に向けて送信したものとみられている。この種の通信は、インターネットや携帯通信網を使わずに、「秘密工作員や潜伏工作員」に指令を伝えるために用いられることが多い。

警報は、これらの通信が「海外に事前配置した潜伏工作員を起動させる、または行動指令を伝達する目的で発信した可能性がある」と指摘する。

一方で、現時点では通信の具体的な内容は確認していない。ただ、国際的な中継能力を持つ新たなラジオ局が突如出現したことから、情報当局は強い関心を寄せているという。

警報では「特定の場所に関連する差し迫った脅威は確認していない」としながらも、各地の法執行機関に対し、不審な無線周波数活動の監視を強化するよう求めている。

また、ロイターは6日、トランプ政権の関係者の話として、ホワイトハウスが連邦安全通報の公表を一時停止したと報じた。この通報は、イランとの衝突激化に伴いアメリカ国内の安全保障上の脅威が高まっていると警告する内容で、イランの代理勢力が内で攻撃を行う可能性に関する具体的な情報も含まれていたという。

もし今回の情報警報が事実であれば、アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃後、アメリカ当局が懸念してきた事態、すなわち西側諸国の潜伏工作員ネットワークが報復行動のために動き出すことの裏付けとなると指摘している。