米とインドネシアが防衛協力強化 マラッカ海峡めぐり中共をけん制

2026/04/20
更新: 2026/04/20

アメリカとインドネシアはこのほど、「主要防衛協力パートナーシップ」を構築すると発表した。インドネシアは世界のエネルギー輸送の要衝であるマラッカ海峡に位置しており、両国の踏み込んだ協力は、中国共産党(中共)の南シナ海での拡張をさらに抑え込むとともに、北京のエネルギー供給の脆弱さをいっそう浮き彫りにするとの見方が出ている。

4月13日、ヘグセス米国防長官は米国防総省で、訪米中のインドネシア国防相シャフリ氏と会談し、両国が正式に「主要防衛協力パートナーシップ」を構築すると発表した。両国は防衛協力を深め、インド太平洋地域の平和と安定を維持するとしている。

この新たな協力合意には、「高度な非対称作戦能力の共同開発」や、「水上・水中・ドローン分野における次世代防衛技術の開拓」などが盛り込まれている。

両国が防衛協力を強化したことで、北京側の警戒感は強まっている。とりわけ、インドネシアは地理的に重要な位置にあり、世界のエネルギー輸送の要衝であるマラッカ海峡を押さえている。

マラッカ海峡は全長約900キロで、太平洋とインド洋を結ぶ戦略上の要衝であり、東アジア各国にとって重要な海上交通路でもある。米エネルギー情報局(EIA)の2025年のデータによると、同海峡を毎日通過する原油は、世界の海上原油貿易の約30%を占めている。

軍事チャンネル「マーク時空」の司会者、馬克氏は、「インドネシアが完全にアメリカと協力するようになれば、マラッカ海峡を封鎖するのはあっという間のことだ。中共にとっては強い脅威になる」と述べた。

馬克氏は、北京は輸入エネルギーへの依存度が高く、その大半を中東から購入し、マラッカ海峡を経由して運んでいると指摘した。中共はこのボトルネックを解消するため、ロシアや中央アジア諸国から石油や天然ガスを輸入するパイプラインを敷設してきたが、パイプラインの輸送能力には限界があり、大部分は依然としてマラッカ海峡を通る海上輸送に頼っている。さらに、最近の国際情勢の変化が、北京のエネルギー不安を一段と強めている。

馬克氏はさらに、「この数か月の間に、中共はすでにベネズエラの安価な原油を失った。そのうえ、イラン戦争の影響で、中東の石油のかなりの部分も途絶えた。これによって、中共のエネルギー不安は非常に深刻になっている」と述べた。

今年初め、中共の「古い友人」であるベネズエラのマドゥロ氏は、米軍に拘束された。2月末には、米軍が中共と近い関係にあるイランの最高指導者ハメネイ師を空爆で殺害した。これを受けてイランはホルムズ海峡の封鎖を発表し、アメリカは周辺海域でイランに対する海上封鎖をさらに拡大した。イラン経済の動脈は締め付けられ、中共が長年依存してきたイラン産原油も供給停止に直面している。

台湾の軍事戦略研究者、蘇紫雲氏は、「現在、国際情勢は変化しており、その焦点はイランにある。北東アジアではすでに、日本、台湾、フィリピンによる第一列島線の防衛線があり、南米のベネズエラもアメリカによって押さえられた。今後、イランという経路まで封じられれば、対中共包囲網はさらに強化されることになる」と述べた。

米イランの戦闘が続く中、アメリカは素早く動き、インドネシアとの防衛協力をさらに引き上げた。これはマラッカ海峡や南シナ海をにらんだ動きであり、北京に対する抑止力をいっそう強める構えだ。

蘇氏は、「今後、必要な場合には米軍機がインドネシア領空を通過し、南シナ海やマラッカ海峡へより迅速に向かうことが可能になる。これは米軍にとって有利に働く。オーストラリアに駐留する米軍が北上して増援に向かう場合も、インドネシア領空を通れば航続距離を大幅に短縮できる。大きく見れば、そのような地政学的な配置だ」と分析した。

中共は長年にわたり、南シナ海で勢力拡大と威圧的な行動を続けてきた。そのため、周辺諸国の間ではアメリカとの防衛協力を強化し、安全保障を確保しようとする動きが強まっている。

馬克氏は、「南シナ海周辺諸国とアメリカの軍事協力が密接になればなるほど、中共にとっての脅威は大きくなる。中共が南シナ海を事実上、自国の内海のように扱い、自らの覇権の海にしようとするやり方は、ますます通用しなくなる。中共が受ける圧力も一段と強まる」と述べた。

インドネシアにとっても、中共の「九段線」主張は同国のナトゥナ諸島の排他的経済水域にも及んでおり、この海域では両国の間で主権や漁業権をめぐる争いがたびたび起きている。

今月初めには、インドネシア側が戦略上重要なロンボク海峡付近の海域で、水中ドローンとみられる装置を発見した。そこには、中国船舶工業集団のロゴ「CSIC」の表記を簡体字中国語ではっきりと記していた。