中国の権利擁護活動家である周禄宝氏は、新浪微博(ウェイボー)で出稼ぎ労働者(農民工)の未払い賃金請求に関する投稿を約25件転送したとして、「尋衅滋事罪(じんきんじじざい:騒動挑発罪)」で起訴された。先日、蘭州市の裁判所で開廷し、検察側が懲役7年6カ月を求刑したことで、各界から不満の声が上がっている。
代理人弁護士がチャットグループで公開した公判情報によると、被告の周氏は蘭州市の住民であり、ウェイボー上で約25件の内容を投稿・転送した。その一部に農民工の賃金請求に関する話題が含まれていたという。裁判は先日、蘭州市城関区法院で審理された。起訴状は、周氏の行為が「騒動挑発罪」を構成すると主張し、懲役7年6カ月および罰金5万元(約100万円)の量刑を提案した。
公判中、弁護士は裁判所に対し、月収約3,500元(約7万円)のうち3,200元を実家に仕送りしている農民工にとって、5万元の罰金は極めて重い負担であると訴えた。また、周氏がこの仕事を維持するために長年帰省していないことにも触れ、「皆さんはご存知か。彼はこのわずか300元の手元金から、どれほど多くの人を助けてきたか。一年中工事現場の門番をする仕事を失わないために、彼は6年も帰省せず年を越しているのだ」と述べた。
権利擁護弁護士やメディア関係者が声を上げる
当局の起訴に対し、広西チワン族自治区の権利擁護弁護士・劉氏は記者に対し次のように語った。「『騒動挑発罪』は、とうの昔に活動家やネットユーザーを弾圧するための『ポケット罪名(何でも放り込める便利な罪名)』と化している。周氏の境遇は、法律が底辺の弱者に直面した際、いかに厳格かつ苛烈に運用されるかを反映している。月収3,500元のうち3,200元を仕送りするという状況は珍しくなく、非常に痛ましい。これが中国の底辺世帯の縮図だ」。
蘭州市のメディア関係者である葛宏氏(仮名)は取材に応じ、周氏がネット上で農民工の権利擁護情報を転送したことは違法ではないと指摘した上で、懲役7年6カ月の求刑を批判した。「あまりに不条理だ。数百万元の賄賂を受け取った汚職官僚でもせいぜい7、8年の刑だ。周氏はただネット上で農民工のために公道(正義)を説き、数件の投稿を転送しただけで、違法ですらない。それなのに検察がこれほどの重刑を提案するとは」。
また葛氏は、中国共産党(中共)の体制下では、底辺層による言論の自由や権利擁護の努力が、数百万規模の汚職よりも社会への危害が大きいとみなされているようだと述べた。これは周氏一人の問題ではなく、将来的に一般のユーザーが弱者のために声を上げられるかどうかにかかわる問題である。
学者:「官に甘く、民に厳しい」中共の法律
4月10日、中共最高法院と最高検察院が発表した新解釈により、「公職人員財産起源不明罪」の立件基準が30万元から300万元(約6,000万円)へと引き上げられた。量刑についても、「説明のつかない資産(正当な所得との差額)」の大きさに応じて、以下のように整理された。
説明不能な資産が300万元〜1,000万元の場合: 5年以下の懲役または拘留
説明不能な資産が1,000万元を超える場合: 5年以上10年以下の懲役
湖北省の法学者である張依氏(仮名)は取材に対し、これは単なる司法基準の問題ではなく、明らかな「権力の免責」と「言論への厳罰」のねじれであると指摘した。「法的ロジックから見て、非常に歪んでいる。公職者が300万元近い出所不明の財産を持っていても、新規定では刑事責任すら問われない可能性がある。差額が500万、800万に達しても、量刑のスタートラインはわずか5年以下に過ぎない」。
対照的に、周氏は賃金請求を行う農民工のために数件の投稿を転送しただけで「騒動挑発」として起訴され、7年6カ月という長期の刑期に直面している。
張氏は、このような「親官仇民(官を親しみ民を仇とする)」の量刑傾向に対し、現在の中国共産党(中共)政権の司法体系において「社会への危害性」が一体どのように判断されているのか疑問を抱かざるを得ないと述べた。数千万元規模の財産問題は軽く扱われ、ネット上の言論事件には重刑が科される。こうした状況が続けば、大衆における法律の信頼性は失われるだろう。
近年、「騒動挑発罪」は言論や権利擁護にかかわる多くの事件で乱用されている。武漢のパンデミックを報じた市民記者の張展氏は懲役4年、人権擁護者の徐琳氏や活動家の季孝龍氏らもネット上の言論や批判を理由に3年から4年の刑を言い渡された。また、湖北省の市民・余銭氏はパンデミック関連の言論で懲役3年、セルフメディア運営者の呉懐云氏は海外プラットフォームでの発信を理由に懲役3年10カ月、さらに権利擁護活動に参加した于雲峰・李佰華夫妻には懲役5年が科されている。
これらの事例は、記者、活動家、メディア従事者から一般市民に至るまで、広範囲に及んでいる。
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