中国 中国の若者が見た壁

「市長になる方法は?」と問う中国の若者 SNSアカウント封鎖

2026/05/31
更新: 2026/05/31

「市長になるには、どうすればいいんですか?」

中国・深圳(しんせん)市で、一人の若者がそんな素朴な質問を役所に投げかけた。ところが返ってきたのは説明ではなく、「分からない」という答えだった。そして2日後、彼のSNSアカウントは封鎖された。

5月25日、この若者は深圳市政府が入る深圳市民センター前でライブ配信を開始した。スーツにネクタイ姿で現れ、「市長選に出て、苦しい立場の人たちのために働きたい」と語った。

彼は、高齢者がごみを拾って生活し、路上生活者も少なくない現状を見て、「庶民の声を届けたい」と考えたという。そして行政サービス窓口を訪れ、市長になるための条件や手続きを尋ねた。

しかし職員たちは誰一人として答えられなかった。ライブ配信に戻った若者は、「みんな『知らない』と言うだけだった」と困惑した様子で報告した。

深圳市は中国でも有数の大都市だが、市長は住民投票で選ばれるわけではない。共産党の人事システムの中で決まるため、一般市民が立候補する仕組みは事実上存在しない。

動画は中国国内外で話題となったが、5月27日までに中国版TikTok「抖音(ドウイン)」のアカウントは封鎖された。

この若者は政府転覆を訴えたわけでも、抗議活動を呼びかけたわけでもない。ただ「市長になるにはどうすればいいのか」と尋ねただけだった。だが、その問いに答えられる人は現れず、アカウントだけが先に消えた。

SNSには「中共の目には、これも反乱と変わらないのだろう」とのコメントも見られた。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!