2024年7月、中国・陝西省商洛市で開通からわずか6年足らずの高速道路の橋が崩落し、25台の車が転落、62人が死亡・行方不明となった。
こうした事故が起きれば普通は、施工ミスや自然災害が原因として調べられる。しかし、今回の崩落事故で明らかになったのは、それ以上に衝撃的な事実だった。
橋を造った施工会社だけでなく、本来は工事を監督する監理会社も、完成前に安全を確認する検査会社も不正に関与していたのである。
中国当局の調査によると、施工会社は設計図を無視して工事を進め、監理会社はそれを了承したうえで虚偽の記録を作成していた。さらに第三者検査機関は、橋の基礎が設計通りでないことを知りながら測定データを改ざんし、合格の判定を出していた。
事故を受け、当局は橋の建設や維持管理を巡る監督責任を問い、地方政府や交通当局など5組織と公務員43人を処分した。
本来なら施工会社の不正を監理会社が止める。監理会社が見逃しても検査会社が発見する。事故を防ぐために設けられた何重もの安全装置が、今回はすべて機能しなかった。
中国のSNSでは「これは天災ではなく人災だ」「橋が崩れたのではない。崩れたのは安全管理そのものだ」と怒りの声が相次いだ。
近年、中国ではインフラを巡る重大事故が繰り返されている。2024年には広東省で高速道路が崩落して48人が死亡した。
本紙もこれまで、橋や道路だけでなく、マンション、学校、公共施設などで発覚した施工不良や安全管理の問題を数多く報じてきた。
橋が崩れることはある。しかし施工、監理、検査の三者がそろって不正に関与していたなら話は別だ。この事故は、人災の典型例だったと言える。
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