最近終了した中国の大学入試「高考(ガオカオ)」で、ある光景が話題になった。
受験生が試験会場の入口でメガネを外し、試験監督のチェックを受けていたのだ。
背景にあるのは「スマートグラス」の存在だ。見た目は普通のメガネだが、撮影や通信機能を備えた製品もあり、近年はAI機能を搭載した製品も登場している。そのため、当局は不正への悪用を警戒し、一部地域では、眼鏡そのものが検査対象になった。
さらに試験中はAI監視システムも導入された。周囲を何度も見回す、隣の答案をのぞき込む、ひそひそ話をするといった行動を自動で検知し、不審な動きがあれば監督員に通知するという。
日本では、せいぜい携帯電話の電源を切り、かばんにしまうよう求められる程度だが、中国ではスマートフォンやスマートウォッチ、スマートグラスなどを会場へ持ち込んだだけで不正行為と判断される。使っていなくても全科目の成績が無効になる場合がある。
かつて試験で問題になったのはカンニングペーパーや携帯電話だった。現在はスマートウォッチやスマートグラスなど、身に着ける電子機器全般へと警戒の対象が広がっている。
中国では毎年1千万人を超える若者が「高考」に挑む。進学や就職、その後の人生にも大きな影響を与えるとされるだけに、不正対策は年々厳しくなっている。
「眼鏡を外してください」
かつて試験会場で警戒されたのはカンニングペーパーだった。いまは眼鏡である。
これがAI時代の新たな受験事情だ。技術の進歩とともに、不正対策もまた新しい段階に入っている。
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