米軍 ウクライナ製無人艇をインド太平洋で初試験 台湾有事を見据えか

2026/06/26
更新: 2026/06/26

報道によると、最近行われた非公開演習で、米軍特殊部隊がウクライナ製の無人水上艇を誘導し、標的艦を撃沈することに成功した。この兵器は黒海でロシア艦隊に大きな打撃を与えてきたもので、インド太平洋地域で試験したのは今回が初。アメリカが実戦で得た経験をインド太平洋に取り入れ、無人艇によって中国共産党(中共)軍の海洋進出に対抗しようとしていることを示している。

ブルームバーグによると、ウクライナ製の無人水上艇「マグラ(Magura)」の価格は数十万ドルにとどまり、作戦部隊は低コストで強力な非対称攻撃能力を得ることができる。

米軍が台湾防衛で想定する「ヘルスケープ(地獄絵図)」戦略構想も、爆薬を積んだ多数の低コスト無人艇や対艦兵器を展開し、台湾海峡に阻止網を築くことを狙いとしている。これにより、中共軍の行動を遅らせる構想だ。

Maguraを製造する新興企業Uforceのロキンスキー最高経営責任者(CEO)は、インド太平洋諸国がこの技術の導入を積極的に模索しており、現地での生産拠点設置も検討していると述べた。さらに、Maguraはこれまでにロシア軍艦約10隻を撃沈させた「実戦で検証済み」であることが、インド太平洋での配備拡大や抑止力強化、中共軍への対抗において重要な要素になると強調した。

台湾も無人艇を国防戦略の重要な一環と位置づけており、台湾産の攻撃型無人艇「快奇」の開発を進めている。台湾政府は同型の無人艇1320隻を調達する計画で、中共軍による台湾上陸作戦への対処能力を高める狙いがある。

アメリカのハドソン研究所が最近実施したウォーゲームでは、中共軍が台湾への武力侵攻に踏み切る際、日本も同時に攻撃するとの想定が置かれた。その結果、ドローンや無人艇が日本の海上戦力を維持するうえで重要な役割を果たすことが示された。自衛隊が水中ドローンで敵軍を追跡し、無人水上艇によって中共軍の偵察能力や火力を大型艦艇から分散させれば、日本の海上戦力の半分以上を維持でき、米軍が支援に入るまでの重要な時間を確保できる。

これに先立ち、ロイターは、ウクライナのドローンメーカーがロシア・ウクライナ戦争で築いた「実戦での評価」を生かし、日本、台湾、フィリピンとの接触を強めていると報じた。これらの企業は、台湾海峡有事への懸念から急速に拡大するアメリカや日本などの防衛予算に参入し、中共を封じ込める「ドローンの島しょ線」の構築に関わることを目指している。

中共海軍の規模が拡大する一方、日本では人口減少に伴う自衛隊員の確保が課題となっている。こうしたなか、防衛省はドローンと無人艇を組み合わせた非対称防衛を優先分野に位置づけている。小泉防衛相は、自衛隊は無人装備への投資を進め、世界で最も無人装備を有効活用する軍隊になる必要があると強調した。人員不足を補い、中共軍に効果的に対抗するためだ。

また、中共がドローンの中核部品に輸出規制をかけていることを受け、ウクライナのドローンメーカーは中国のサプライチェーンへの依存から脱却しようとしている。各社は代替部品の調達先として、日本や台湾の半導体、電子部品、光学機器メーカーとの連携を進めている。