米ニューヨークの国連本部前で7月2日、一人の男性がチベットの旗を掲げて焼身自殺を図り、その後、搬送先の病院で死亡した。
ニューヨーク市警によると、現場は国連本部近くの交差点。警察は当初、身元を公表しなかったが、亡命チベット人メディアや関係者によると、男性はチベット独立運動に取り組んでいたロガ・ランゼン(Loga Rangzen)氏で、現場ではチベットの自由と団結を訴える演説をライブ配信した後、自ら火を放ったという。
知人は現地メディアに対し、「中国共産党によるチベットへの厳しい統治に強い怒りを抱いていた」と語っている。
この出来事の背景には、中国で今週施行された「民族団結進歩促進法」がある。この法律は、チベット族やウイグル族など少数民族に対し、「中華民族共同体意識」の浸透を進める内容で、海外で活動する人々にも影響を及ぼしかねないとして、アメリカやEUが懸念を示している。
チベットでは長年、中国当局による宗教や文化への統制、人権侵害が国際社会から問題視されてきた。抗議の手段として焼身自殺を選ぶ人も少なくなく、2009年以降だけでも150人以上が命を絶った。
国連という世界外交の中心で行われた今回の焼身抗議。その炎は一瞬で消えたが、「チベットで何が起きているのか」という問いを、国際社会に改めて突きつける出来事となった。
※命を大切にしてください。どれほど苦しい時でも、一人で抱え込まず、身近な人や相談窓口に思いを話してみてください。道は必ずあります。
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