米自動車業界 中国製通信部品の排除急ぐ コネクテッドカー規制に対応

2026/07/22
更新: 2026/07/22

アメリカ連邦政府の強力な後押しを受け、アメリカ自動車業界は、中国から供給されるコネクテッドカー向けのソフトウェアとハードウェアの排除を急いでいる。2025年1月にバイデン政権下の商務省が発表した、通称「中国車禁止令」に対応するためだ。

「中国車禁止令」

この規則は、国家安全保障とデータプライバシーを理由に、アメリカのコネクテッドカー(双方向通信が可能)で中国またはロシア製のハードウェア、ソフトウェア、さらに自動運転ソフトウェアを使用することを全面的に禁じるものだ。

アメリカ商務省が当時発表した最終規則では、2027年モデル以降、中国またはロシア製のコネクテッドカー用ソフトウェアの使用を禁止し、2030年モデル以降は、中国またはロシア製のコネクテッドカー用ハードウェアの使用も禁止すると明記している。

また、中国またはロシアと「十分な結びつきがある」製造業者については、こうしたソフトウェアやハードウェアを搭載した新型コネクテッドカーをアメリカ国内で販売することも禁じられる。車両をアメリカ国内で生産した場合でも、規制の対象となる。

これにより、中国メーカーがアメリカで新型コネクテッドカーを販売することは、事実上ほぼ不可能になる。アメリカ商務省は調査、認定、執行の権限も持つ。そのため、この規則は複数のメディアから「中国車禁止令」と呼ばれており、トランプ政権発足後も維持されている。

アメリカ上院で法制化の動き

アメリカ上院商務委員会は、7月22日に「2026年コネクテッドカー安全法案」について採決を行うと発表した。同法案は、中国製コネクテッドカーのアメリカ市場参入を制限する商務省の行政規則を、恒久的に法制化する内容だ。

つまり、将来大統領が交代しても、行政命令だけでこの規制を簡単に撤回することはできなくなる。撤回や変更には、議会による法改正が必要となる。

法案の内容によると、規制対象はコネクテッドカー用のソフトウェアやハードウェアにとどまらない。中国などの「敵対国」に由来するコネクテッドカーのアメリカ市場参入を禁じるもので、中国で設計したコネクテッドカー、中国で製造したコネクテッドカー、中国製ソフトウェアを使用する車両、中国製部品を使用するコネクテッドカー、中国企業と共同開発した関連車種なども対象となる。

アメリカ自動車業界のサプライチェーン転換

ロイターが21日に報じたところによると、アメリカ電子機器メーカーEagle Wirelessは、アメリカ自動車業界におけるサプライチェーン転換の一例として注目している。同社は、コネクテッドカーに必要な通信モジュールを供給し、中国系サプライヤーの撤退後に生じる市場の空白を埋める役割を担うとみている。

Eagle Wirelessのデンビンスキー社長は、アメリカ自動車メーカーはまもなく規制発効への対応を迫られるとし、「これは大きな機会だ」と述べた。同社はアメリカ国内で不足する車載用通信モジュールの供給を補うことを目指している。

車載用通信モジュールは、4Gや5G接続、GPS、ソフトウェア更新、遠隔診断、緊急通報など、コネクテッドカーの主要機能を支える部品である。アメリカ政府は、こうした部品が車両データの外部送信や遠隔操作のリスクにつながるとみており、規制の重点対象としている。

過去10年以上、この分野では中国企業の存在感が大きかった。そのため、アメリカ自動車業界では中国製通信モジュールに代わる調達先の確保が急務となっている。

ただし、代替供給には課題も残る。中国製品と同等のコストを実現できるか、また中国企業に依存してきた技術をどこまで自前で置き換えられるかが、今後の焦点となる。

李皓月