トランプ米大統領は最近、イランと取引する中国の銀行を制裁対象とする考えを示唆した。ベッセント米財務長官も、イランの制裁逃れを支援する金融機関について、ドル金融システムから排除する可能性を警告している。
専門家は、アメリカが中国の銀行への制裁に踏み切れば、中・イラン間の取引だけでなく、中共によるイラン支援の重要な資金ルートも断たれ、中国側の経済的負担が増す可能性があると指摘する。
トランプ氏は最近、イランと多額の取引を行う中国の銀行を、なぜアメリカはまだ制裁していないのかと記者から問われた時、「私がやっていないと誰が言った? まだ発表していない。私が今やっているかどうか、あなたには分からない。すべてを発表する必要はないだろう?」と答えた。
ベッセント氏は、世界各地の約60の団体と個人に新たな制裁を科すと発表した。対象には中国本土や香港の一部の団体・個人も含まれる。
同氏は、イランと経済・商業関係を維持するすべての国に対し、イランをさらに孤立させるため、直ちに行動するよう求めた。
また、イランの資金洗浄や制裁逃れを支援する団体は、ドル金融システムから排除される可能性があると警告した。
時事評論家で番組「靖遠開講」の司会者、唐靖遠氏は「いったんドル金融システムから排除され、SWIFTとの接続まで断たれれば、こうした銀行はドル関連の業務ができなくなる。銀行側にとって到底受け入れられないほど大きな損失になる」と述べた。
大紀元のコラムニスト、王赫氏は「こうした制裁には、強いけん制の意味がある。政治的には、アメリカがイランへの経済圧力を続ける強い意思を示し、中共による妨害を許さないというメッセージでもある」と指摘した。
中国の銀行が制裁を受ければ、中・イラン間の石油取引にも影響が及ぶ。イラン産原油の8割以上は中国向けとされ、銀行取引が制限されれば、購入の継続は一段と難しくなる。
ただ専門家は、中共がこれを機にイランとの取引を停止するとは考えにくく、より小規模な金融機関を利用したり、ドルを介さない決済に切り替えたりして、取引を続ける可能性があるとみている。
9月に予定されている米中首脳会談を前に、アメリカがこの時期に強硬な姿勢を示した狙いにも注目が集まっている。
唐氏は「トランプ氏は、習近平への配慮から制裁を控えているわけではない。むしろ、こうした手段で交渉材料を増やし、貿易やサプライチェーン、地政学などをめぐる交渉で習近平に圧力をかけ、アメリカにとってより有利な合意を引き出そうとしている」と分析している。
専門家は、関税、技術規制、レアアース、イラン問題などが、9月の米中首脳会談でアメリカ側の交渉材料になり得るとみている。
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