Googleは9月8日、中共の情報機関のために活動するハッカーが、侵入した第三者のネットワーク上でAIを稼働させ、攻撃を検知しにくくしていると明らかにした。
米NBCによると、Googleは2023年から追跡している中国系ハッカー集団が、北米の大学、医療機関、軍事研究機関を継続的に狙っており、特に企業や研究機関独自のAI研究を標的にしていると説明した。
Googleによると、この集団は主な攻撃対象とは無関係な第三者のクラウド環境にも侵入し、そこにオープンソースのAIモデルを導入していた。活動を追跡されにくくする狙いがあるという。
Google脅威分析部門の首席アナリスト、ジョン・ハルトクイスト氏はNBCニュースに対し、侵入した第三者のシステム上でAIモデルを動かすことで、ハッカーは監視をかわし、商用AIサービスに設けられた安全対策を回避できると説明した。
ハルトクイスト氏は、「まず第三者に侵入し、そのシステム上にAIモデルを導入する。商用AIサービスを利用すれば活動を監視されるため、それを避けるのが狙いだ」と述べた。
同氏によると、中国系ハッカーは侵入先のネットワーク上でAIエージェントを稼働させ、作業の自動化を進めている。複数の事例では、重要な作業をAIが自律的に実行する能力を構築しようとする動きも確認されたという。
GTIGは最新の報告書で、情報機関やサイバー犯罪組織を含む複数のハッカー集団が、AIに個別の作業をさせる段階から、AIエージェントに一連のサイバー攻撃を自律的に実行させる段階へ移りつつあると指摘した。
報告書によると、この変化によって、ハッカー自身が攻撃に関与する時間は大幅に短縮されている。AIエージェントを利用したケースでは、一連の攻撃を6時間未満で完了した例もあった。
在米中国共産党(中共)大使館の劉暢広報担当は疑惑を否定し、サイバー攻撃に反対しており、サイバーセキュリティーを口実にした「中傷や悪意ある印象操作」にも断固反対すると述べた。
アメリカをはじめとする西側諸国は長年、中共が経済的利益を得る目的で外国企業へのサイバー攻撃を行っていると非難し、こうした行為は容認できないとしてきた。
GTIGが今年6月に公表した報告書によると、2023年9月から2025年11月にかけて、ハッカーは国防情報、インド太平洋地域の軍事戦略、AI、自動運転システム、サイバー攻撃計画、医療研究などに関する機微な情報を幅広く収集していた。
Googleは、このサイバー諜報活動を「UNC6508」と呼ばれる新興のハッカー集団によるものと分析している。
GTIGの副首席アナリスト、ルーク・マクナマラ氏は、UNC6508の手口について、長年確認されてきた中共系ハッカーの活動と高い共通性があると指摘した。
同氏によると、活動の重点は、中共政権が関心を持つとみられる情報の収集にある。
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