米学会権威、中共の臓器狩りを分析、調査団参加に意欲

2006/06/28
更新: 2006/06/28

【大紀元日本6月28日】世界における生物倫理学の権威で、米国ペンシルバニア大学の生物倫理研究センター主任を務めるアーサー・キャプラン教授は6月6日、複数メディアからの共同取材を受け、法輪功学習者を対象とした中共政権による臓器狩り問題について見解を述べた。教授は、中共政権の本質からして、このような蛮行を働くことは十分に考えられると述べ、法輪功への迫害を調査する「聯合真相調査団」に参加する意欲を示した。

以下は取材の一部の内容である。

記者:臓器の違法取得について、ぜひ教授のご見解をお伺いしたい。

教授:臓器移植は私が最も関心をもつ領域であり、最も注目を集めている領域でもある。我々が直面している挑戦は、十分な臓器供給がないことだ。世界各国で肝臓や、心臓、腎臓を求める人々が長蛇の列を作っている。必要とされる臓器の数は、提供できる臓器の数より遥かに多い…。現在、世界的な臓器の違法取得において、主に2つの問題がある。

1.臓器摘出は本人の同意を得ることができない。例えば、囚人たちは処刑された後に臓器が強制摘出されるケースが多い。このようなことは、中国で頻発している証拠がある。

2.生きている人から臓器を摘出している。例えば腎臓などの臓器を金で買い取ったり、或いは恐喝や強迫などで取得したりする。私自身は、人の命を救えるので、臓器移植を支持しているが、世界各地で臓器貿易が行われ、他人の腎臓を強奪したり、人を殺して臓器を摘出したりすることが発生している、私はそのことを非常に憂慮している。

記者:臓器移植に関する違法行為について、米国や世界各地で、このような報道はあったか?

教授:恐らく私は臓器移植に最も関心を持ち、厳格に監視している一人である・・・。米国では、私の知る限り、人体の臓器を得るために、人を殺害たり、或いは死を加速させることなどは、発生していない。我々は「分離原則」を用いているからだ。すなわち医療サービスを提供する人と、臓器提供を処理する人が完全に分離されている。一人の人間の死亡が宣告された後、初めて、別のチームが臓器提供できるかどうかについて打診してくる。病院の医師の使命は患者の命を救うことで、経済利益を得たり、患者の臓器を移植用に提供したりするという動機が生じることはない。我々がガイドラインを設け、治療する人と臓器提供を管理する人を完全に隔離したためだ。

記者:中国国内にある36ヵ所の秘密収容所において、法輪功学習者らが生きたまま臓器が強制摘出されているとする報道について、ぜひ教授の見解をお聞きしたい。

教授:多くの報道があり、私もたくさんの電話を受け取った。一部の電話は中国系アメリカ人からのもので、他国の華人からの電話もあった。人々が私の意見を聞こうとしているが、私はまだ問題の答えを知らない。私は、この人たちの臓器が中共政権によって強制摘出されたことを示す厳密な証拠を入手していないからだ。しかし、私は、中共が処刑した囚人の臓器を摘出している証拠を持っており、これはすでに確証されている。囚人の臓器は処刑後すぐに摘出される。中国では、人々は軽い犯罪を起しただけでも、あるいは政権にとって脅威的な存在であると見なされた場合、投獄される。これは周知の事実だ。

私は、法輪功学習者が無理やり臓器を摘出されていることを信じる。彼らは囚人として処刑された後、その臓器が摘出され、台湾または香港の金持ちに移植されるだろう。中共政権は以前、経済利益のために、大量の囚人を金儲けの市場にしたからだ。

例え秘密収容所でも、写真やその他の証拠が見つかることを期待している。私の理解では、中共政権が人々の臓器を強奪する可能性が非常に高いからだ。従って、私は生きている人から臓器摘出されているという事件が発生していないとは断言できない。中共政権はこのようなことを行うと思う。彼らはずっと囚人を殺し、その臓器を摘出してきたことを私は熟知しているからだ。

記者:2人の証人がすでに公に証言したと報じられた。1人は中国人ジャーナリスト、もう1人は女性で、彼女の夫は、臓器摘出に参加した執刀医だった。

教授:私はこのことについて聞いている。100%信じているわけではないが、米国には「火のないところに煙は立たない」ということわざがある。現在、中共政権が法輪功学習者や、政治異見者、或いは政府を支持しない人たちを臓器摘出の対象としている、私はこの可能性は非常に高いと思う。しかし、我々は確実な証拠を持っている分けではない。一方、中共政権が囚人から臓器を摘出していることは確証済みであり、一部の関係者も彼らの移植臓器は、法輪功学習者のものであると認めており、私はそのことを知っている。現有の状況から分析すると、中国で非常に疑わしいことが進行しているのは確かだ。

記者:教授は「確実な証拠」とおっしゃったが、「法輪功への迫害真相を調査する聯合調査団」(CIPFG)が、中国現地での独立的な調査を計画しており、それに対し、教授から何かアドバイスを戴けないか。調査が全面的、客観的、独立的かつ正確に進行するには、どのような専門家による参加が必要で、なにを調べ、どんな証拠を収集すべきか。

教授:調査団による独立調査は非常に良い提案だ。しかし、(中共政権の)協力を得られることを願っているが、実現できるかどうかは疑問だ。もし中国で現地調査するならば、臓器移植の専門医や、ドナー探しなどに携わる臓器提供の専門家、弁護士、生物倫理学のプロなどを参加させるべきだ。このような総合調査団の信用度は高く、如何なる政権も調査を拒否できないはずだ。

私が指導している学生の一人は、いま中東のアラブ連合共和国やオマーンなどの国で、臓器の行き先を調査している。中国やその他の地域に行き、倫理違反とみなされる臓器の出所と、行き先を突き止めなくてはならない。

記者:そのためにはどう対処すべきか。

教授:この領域においては、多くのことを行わなければならない。まず第一に、世界各国の外科医組織や臓器移植の専門医などは、ルートが不明であったり、許可が下りていない臓器を使用してはならない、と明確に打ち出すべきだ。もし全世界の医師がこれを実行したら、臓器貿易の制止に強い影響を与えるだろう。すべての移植臓器は認可されたという証明が必要だ。例えば、ある人はペンシルバニア大学を訪れ、「私は移植用の腎臓を有している、誰か必要とする人はいませんか」と聞いたとする。このような方式は容認されるべきではない。しかし、一部の国では、それが実行されている。

第二に、すべての臓器移植機構は国際登録センターで登記しなくてはならない。そうすると、これらの機構の移植情況を把握できるようになり、運営の審査や、臓器の提供ルートの確認などもできるようになる。このシステムの運営はそれほど難しいことではない。米国の「臓器共有の総合ネットワーク」(UnitedNetworkforOrgan-Sharing)はこのように実行している・・・・・・。このような監督体制は全世界で実行すべきだ。例えば、中共政権は外国人に臓器移植を行う場合、裏での臓器売買を禁止し、オープンに監督と審査を受けるべきだ。

記者:もしこの調査団から教授に参加を要請されたら。

教授:もちろん、参加する。私の考えでは、最大の挑戦は、世界各国政府が(中共政権)に十分な圧力をかけ、この調査の結果報告を待ち構えていると表明することが必要だ。そのときに調査団が現地に入り調査すべきだ。もし、1つの団体が独自に現地で調査するというのなら、私はちょっと心配だ・・・・・・。

記者:中共政権は臓器狩りの黒幕であるかもしれないからか。

教授:その可能性は、十分にある。

記者:教授の認識では、このような調査は実現できるか、結果を出せると思うか。

教授:私の答えはあなたを驚かせるかもしれないが…。

記者: もし不可能であれば、国際社会は何をすべきか。

教授:私は独立調査が必要であると認識している。しかし、錯誤を正し、このような人権侵害、国連憲法違反などの行為を解決する最善の方法は、全社会がこのことを議論し、譴責することだ。なぜならば、悪いイメージは中国を含め、如何なる国にとっても不利なことであり、だれもがこのようなことを避けたいからだ。多くのメディアがこのことを報道し、国際社会は「これが事実であるかどうかは、確信できないが、我々は非常に注目している。もし事実であれば、強く譴責する」という姿勢を表明すれば、このような臓器狩りの行為は必ず中止する。今、中共政権は国際社会の一員になろうとしており、信用を得るために必死になっている。臓器狩りの楽園と見なされるのは、この政権にとって如何なる利点もないだろう。

記者:生きている人からの臓器摘出という行為がはじめて報道された後、中共政権は3週間も沈黙を続けた。中共内部の情報によれば、その秘密収容所はすでに移転されたという。もし教授が調査団の一員で、中国での現地調査を実現するとすれば、どのようなところから調査を行うか。

教授:私は主に2つのことに興味がある。

1. 臓器移植機構を実際に訪れ、そこの医者に臓器の提供者を明かすよう求める。

2. 私が知るかぎり、(中国人)は文化上の理由で、死後の臓器提供には否定的だ。もし中国で3百例の臓器移植を発見した場合、そのうち、恐らく死者による提供はわずか20-30例しかないと思う。残りの臓器提供はどうなっているのか、記録や、資料はどこにあるのか、臓器提供を認可した書類はどこにあるのか、もし彼らがこれらの情報を明かすことができなければ、明らかに問題がある。

記者:教授は欧米国家と中国の臓器貿易をどう見ているか。

教授:私の理解では、間違った行動を制止するには二つの手段がある。

1. 供給源を断ち切る。

2. 需要を抑える。残念ながら、ある中国系アメリカ人は「臓器がどこから来たのか、私には関係ない。私はこの臓器を必要としている、私は絶対にこの臓器を獲得する」と言った。この考え方は間違っている。人の同意を得ずに、この人の臓器を強制的に摘出する行動は間違っている、このような臓器を受け取ってはならない。

移植手術を行う医者と、移植を受ける患者は、臓器の出所を確認しなくてはならないと思う。もし人々が真剣にこの問題に対して対処できれば、臓器狩りの犯罪を制止することができる。残念ながら、人々はこの問題を無視している。

もう1つ、もし臓器が中国から来たものであれば、血液型や、生物学的差異などの関係で、このような臓器は華人系に最も適合する。白人は華人の臓器を移植してはならない、ということはないが、同族による臓器移植は最もよく適合する。従って、海外の華人社会によるこの問題に対する態度も影響を与えるだろう。

※編集者注:アーサー・キャプラン教授は、ニューヨーク市立大学や、コロンビア大学、ミネソタ大学、ピッツバーグ大学などの大学で教鞭を執った。現在はペンシルバニア大学の生物倫理研究センター主任を務め、同領域において、40以上の表彰を受けている。米生物倫理学学会の会長や、米国家科学促進会などの会員を歴任し、国際オリンピック医学委員会や、米国大統領の医学倫理研究委員会などの政府機関にコンサルティングサービスを提供している。2002年には、米国「現代健康」誌に、健康領域において最も影響力のある人物100人に選出され、2004年には、米国国家雑誌には生物科学技術領域において、最も影響力のある思想家10人に選ばれた。

関連特集: 中国臓器狩り