米議会、中国の臓器狩りの公聴会を招集

2006/10/05
更新: 2006/10/05

【大紀元日本10月5日】米国議会で9月29日、中国での臓器狩りに関する公聴会が初めて開かれた。議会議員とその関係者や、米国政府機構、シンクタンク、メディア関係者など100人以上が参加、中国の臓器狩りを調査したカナダ独立調査団のデービット・キルガー前カナダ国会議員や人権弁護士デービット・マタス氏、アジア研究協会の会長で、法輪功のスポークスマン張而平氏、米ミネソタ大学のC.アリソン博士などの4人が証言陳述を行った。公聴会の司会役で、米下院の国際関係委員会のダナ・ロアバーカー議員は「我々はあの中国専制政権とのビジネスで経済利益を得ているからといって、この(中国で進行している臓器狩りの)犯罪を無視する訳にはいかない。米国政府は更なる行動を取り、この犯罪を終結させるべきである」と促した。

証人による内容陳述

証人の一人、カナダ独立調査団のメンバーのマタス人権弁護士は、「我々の調査はすでに入手した、あるいは入手する可能性のある証拠とその反証できる要素をすべて考慮した。合計で18項目ある」と述べた。

デービッド・マタス氏(大紀元)

また、同じく独立調査団のメンバー、キルガー氏は、マタス弁護士が上記にて言及した18項目の証拠について、「これらの証拠が総合すると、我々は(中国での臓器狩りの告発は事実であるとの)驚きの結論を得た。その後、中国当局による限定的な反応は、さらにこの結論は正しいと証明した。なぜならば、この報告書が公表されてから1ヶ月後に、中国当局は報告書の内容について、唯一反論できたのは、我々が二つの都市の所在地を書き間違えたことである」と説明した。

それについて、マタス人権弁護士も自分の見解を示した。「中国当局の反応は、調査結論をさらに立証した。彼らは我々の報告書の中で記述した情報源に反論できず、そのため、我々への人身攻撃に走った。さらに憂慮すべきなのは、彼らは法輪功をも誹謗中傷している。我々が調査した結果によれば、中国当局のこうした行為はまさにこの(臓器狩りの)蛮行を導いた原因の一つである」と発言した。

 キルガー氏は、中国当局による圧制と情報隠ぺいにより、独立調査に多大な困難をもたらしたと指摘、「我々が中国当局に現地での独立調査の許可を申請したが、拒否された。一方、臓器の強制摘出は極秘に行われているため、証言できるのは、殺害され、しかも焼却処分された被害者と、犯罪者しかいない。後者は自ら起こした反人類の罪状を素直に自白する可能性はあまりない」と述べた。

デービッド・キルガー氏(大紀元)

キルガー氏は、最近ヘルシンキで行われたEUと中国のサミット会議で、フィンランドのトゥオミオヤ外相が直接中国の李肇星外相に、生きている法輪功学習者を対象とする臓器狩りの問題を取り上げ、中国の臓器狩り告発に関する独立調査を行うよう促したことを紹介した。また、最近アメリカのボストン移植大会で聞いた「背筋の寒くなるような話」について述べた。中国天津の臓器移植病院の外科医はほかの国の医者に、自分の病院は毎年2000例の肝臓移植手術をしていると自慢話しをしていた。会話の最後、臓器の出所を聞くと、この外科医は会場の外を指して、「(大会会場の外で中国の臓器狩りについて真相を伝えている法輪功学習者の)抗議者に聞いてください」と答えた。

また、高智晟・人権弁護士について、キルガー氏は、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルが最近、同弁護士を救援する緊急公告を公表したことを言及、同弁護士は、ネルソン・マンデラや、ガンジーに匹敵する人物であると賞賛、マタス弁護士と連名で、高智晟氏を2007年のノーベル平和賞の候補者に推薦する計画を明かした。

マタス弁護士は「中国当局が圧制する中、国民は自己弁護ができない状況に陥っている。これらの被害者らは、国際社会に救いを求めるしかない。国際社会は(中国当局に)圧制されてはならない、米国も(中国当局に)圧制されてはならない。米国とその他の国は声を上げ、中国の被害者の味方にならなければならない」と述べた。

ミネソタ大学の主任で、C.アリソン博士も証言を行い、「中国当局は7年前の1999年から法輪功への集団弾圧を始め、法輪功を根絶する計画を建て、政府メディアによる法輪功に対する(罪を捏造する)宣伝と、(法輪功学習者の)違法監禁並びに拷問の二重策略を展開してきた」と指摘、「中国当局がこの根絶計画を実施し始めたと同時に、中国での臓器移植の件数が急増、世界各国の患者が中国に駆け込み臓器移植を受けるようになった」と証言した。同時に中国で移植される臓器の提供元の問題が浮上した。マタス人権弁護士とキルガー元外交官が作成した調査報告書は注目される証拠を書き記していると説明した。

ミネソタ大学のC.アリソン博士(大紀元)

法輪功のスポークスマン張而平氏(アジア研究協会会長)は以下の証言陳述を行った。

張氏は、「中国当局は、法輪功の関連書籍を焼却処分し、国内での出版を全面禁止した。すべての法輪功の関連サイトがネット封鎖され、自由世界の報道さえも封鎖された。このような状況の中で、我々には迫害を告発する選択しか残されていない。我々は政権にまったく興味がない。公園で静かに座禅などができることを願っているだけ。しかし、一旦、誰かが我が家に強制侵入し、我が親、友、子どもなどを逮捕、拷問するとなれば、何者かが我々を消滅しようとすれば、私たちは毅然とこの事実を告発する義務がある。法輪功は如何なる政治目標も政治意欲もない。一種の精神的な信仰であり、これまでもそうであったが、これからも永遠にそうである…憲法に守られるはずの権利が踏みにじられたときに、声を上げて、悪人を告発することは、中国に反対することではない。ここで言う中国は、中国の国民を指している、民主選挙も経ずに政権を握っている統治者ではない。この統治者らは自己の私利私欲のために、常に国民を搾取し虐待し続けてきた」と発言、「法輪功は1999年弾圧されるまでの7年間に、中国国内で約1億人の愛好者がいた。中国政府機構からも高く評価され、褒章を受けていた。その後、中国当局が政治目的のために、一晩で法輪功の罪を捏造した。台湾では今、数十万人が自由に法輪功を習っているが、中国当局が宣伝している法輪功の犯罪などはまったく発生していない」と証言した。

法輪功のスポークスマン張而平氏

証人による提案

また、証言者4人は今回の公聴会で、米国議会と行政部門に対し、「あらゆる機会を用いて、中国当局の指導者に生きている法輪功学習者の臓器を強制摘出する犯罪を問題提起し、具体的な措置を講じ、この蛮行をやめさせ、法輪功への集団迫害を早急に終結させる」と懇願した。

キルガー氏は、再び調査報告書での17項目の具体的な提案を言及し、「中国当局は強制労働収容所を含めたすべての監禁施設を、赤十字国際委員会、あるいはその他の人権、人道主義機構に開放し、国際社会が公開調査を行い、独立の調査判断を下せるようにすべきである」と提案した。

法輪功のスポークスマン、張而平氏は米国議会に対し、「関連法案を立案し、法輪功への集団迫害や、法輪功学習者の臓器を強制摘出との犯罪に加担したすべての中国当局の幹部、医者などの入国を禁止、一旦入国する場合は、法律の裁きを受けるよう定めるべき」と求めた。

マタス氏は、「9月下旬の国連総会で、国連反拷問委員会の特別調査官は、中国当局に対し、法輪功学習者の臓器を強制摘出する問題に関する19項目の具体な問題に回答するよう要求したが、中国当局の幹部は、ひたすらカナダ人調査官と法輪功への人身攻撃や、誹謗中傷を繰り返し、報告書の内容への具体的な回答を避けた」と明らかにし、米国議会の議員に対し、米国と世界各国が手を携えて中国当局に対し、国連の特別調査官が求めていた問題への回答を要求、実質的な解決策を追及していくべきであると提案した。

一方、今回の公聴会を司会した米下院国際関係委員会の共和党議員ダナ・ロアバーカー氏は、米国の建国の精神と理念を再度強調した。「わが国の国旗は、この領土を代表するだけではなく、一種の理念を代表すべきもの、…全世界のすべての人々は生命や、自由、幸福を求める権利を生まれながらにして有している。この原則は変えることのできない永遠なるものであり、米国はこの特殊の使命を担うべき。我々はこの原則を認可する世界各国の人々から支持を得ている。さもなければ、わが国は世界各地の人が集まり、金儲けする場所にすぎない。私はビジネスに反対しない、私自身も実業家である。しかし、それではトマス・ジェファーソン大統領の「独立宣言」に反している(編集者注:「米国独立宣言」は、1776年、後の第三代大統領トマス・ジェファーソンによって起草され、公的に人間の平等と人権、さらに人民主権を告知したものとして、現在にいたるまで最重要の歴史文書のひとつと目されている)」と発言。

さらに「中国での臓器狩りに関するカナダの独立調査報告書がすでに国際社会の関心を呼び寄せている中、この公聴会を通して、米国政府と下院がこの報告書をさらに重視すべき」と願いを語り、世界各地の苦難に耐え続ける人々の強い見方になることができれば、米国は必ず成功を収められる。このような(臓器狩りの)犯罪が世界で発生しているときに、米国務省は正式な反応を示すべき」と米国政府に進言した

米議員ダナ・ロアバーカー氏(大紀元)

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(記者・イッペイ)
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