中国人留学生スパイの実態=元中国外交官

2007/06/22
更新: 2007/06/22

【大紀元日本6月22日】駐シドニー中国領事館元外交官陳用林氏よれば、中国の在外公館(大使館・領事館)は、中国人留学生を操りスパイ活動を行わせ、海外の反体制派活動家を監視し、妨害活動を行っているという。陳氏は、各国の大使館は、スパイ活動に従事する中国人留学生のすべての必要経費を援助していることを明らかにした。

現在、カナダ各地での講演に招かれる陳氏は、2005年5月、領事館を脱出し政治庇護を求めた。陳氏は、中国の真相情報を伝える中国語テレビ局「新唐人テレビ」主催の「世界中国舞踊大会」(来月開催)が妨害された実例をあげた。同大会はニューヨーク大学(NYU)を会場とする予定だが、同大学の中国人留学生や学者の親睦会「ニューヨーク大学中国人文化クラブ」がこのほど、同大会開催反対の声明を出した。陳氏は「声明を出した同クラブは、実質上、駐ニューヨーク中国総領事館教育部が支援して設立した団体である。教育部の主な仕事は、海外の中国人留学生を監視し、中共政権にとって不利益である団体および人物をかく乱させ、中共側に協力させること。言い換えれば、中共機関の海外拠点である」と指摘した。

陳氏によると、同様の親睦会は、豪州および世界各地の大学に存在しており、海外の民主運動活動家、法輪功(ファールンゴン)およびその他の中共政権に批判的な、反体制派の人物などの大学での活動を監視し、入手した情報をいち早く、駐海外中共領事館・大使館へ報告することであるという。

同氏はまた、中国大使館は、反体制派の活動に留学生を出席させ、収集した資料および情報を報告書として提出させるという作業の流れを明らかにした。

一方、中国の在外公館の留学生および留学生団体を操る手法について、陳氏は次のように詳しく説明した。①留学生が行う各活動にかかる経費を援助する②留学生が帰国し就職したい場合、本人が海外留学時、海外にいるときも祖国を愛し、共産党を愛する者であることを証明する在外公館の推薦書を与える③ここ数年間、中国教育部は中国人留学生奨学金を開設し、在外公館のために活動する中国人留学生に与えている④国内の各種公演グループの海外公演を行うときに、招待券を配布し、またはその祝宴パーティーなどに招待する。

情報筋によると、在外中国大使館には、各国にいる中国人留学生親睦会のリーダーをスパイ工作に就かせる専門の担当者がおり、学生によるスパイ工作を画策しているという。一方、経費の援助についてはさまざまだが、表向きに公開した活動経費もあれば、学生個人の口座に直接入金することもあるという。また、卒業後、それぞれ滞在する国の主要な学術機関に就職する機会を与えるという。

さらに、中国はここ10年間、米国の多くの大学に対して、膨大な「研究費」を提供しているが、これらの研究プロジェクトに「スパイ」を配置しているという。こうしたスパイは、上述した留学生親睦会の主席リストから選ばれた者であるという。