中国福建省:卒業証書問題で、大学生が抗議・暴動

2007/07/15
更新: 2007/07/15

【大紀元日本7月15日】中国福建省・泉州仰恩大学のキャンパスで6月30日、4年間高額な学費を支払った上、学歴が社会に認められない事実が分かった学生数百人が、大規模な暴動を引き起こした。学生らの暴動は翌日午前2時まで続いた。

同大学の学生・趙さんは記者に対して、学校教師の質、教授方法、管理などのレベルが低いほか、卒業証書は社会では承認されず、就職先に認められない事実に対して、今回の抗議行動の理由であると訴えた。

暴動が起きた夜の状況について、学生の姚さんは「学生寮100の部屋が破壊され、教室および警備室も壊された。とにかく、形のあるものはすべて壊されたり、焼かれたりした。ビルの上からビンや缶、電気器具などのものも投げ落とされた。現場に駆けつけた警察もなす術がなかった。結局、圧力のあるところには反抗があるのだ。学生らは本当に怒りの炎を抑えることができなかったのだ

破壊された警備室(仰恩大学学生提供)

破壊された学生寮(仰恩大学学生提供)

数百人の学生は翌日午前2時まで抗議し続けた(仰恩大学学生提供)

」と語った。

同校の学生によると、仰恩大学の経営者は非常に強い後ろ盾を持っており、泉州全体に力を及ぼし、学生らは大学の学費が高く、教師の質が悪く、教授方法や管理が劣悪を指摘しても、最終的に我慢するしかないという。

ずさんな学校管理、まったく安全でない

また、学校の警備を担当する者はすべて退役軍人だが、素行が悪く、学生の金を目当てに、規律を違反した「罰金」として頻繁にゆすり取るという。さらに、男子禁制の女子寮に、警備員に金を渡せば簡単に入れるし、その上一般の労働者の宿泊を許し、何度も強姦事件が起きている始末である。学生の憤怒に対して、大学側がすべて金で解決したという。

旧学生寮が老朽、新学生寮は高寮費

学生によると、教室ビルは新旧校舎区に分かれており、旧校舎は数十年前に建てられたもので、10棟の内、3~4棟が使用禁止または危険性のあるビルになっている。一方、学生寮を含む新校舎は数年前に建築されたもので、多くの空室がある。しかし、寮費が高く、部屋が狭いため、宿泊する学生は少ないという。

前出の趙さんは、「われわれが今いる宿泊している学生寮は、老朽化しており、一部屋に8人が泊まる。風呂場が狭いため、風呂に入れない多くの学生は公衆トイレで体を洗っている。また、ベランダもないから、ぬれた服は廊下に掛けるしかない。しかも、毎日の電気使用は制限されており、月曜日から金曜日まで、一日平均にして6時間しか電気を使うことができないのだ。払った金は一体どこへ行ってしまったのか、まったく分か

校舎の屋上からたくさんの破壊されたものが投げ落とされた(仰恩大学学生提供)

キャンパスで放火する学生(仰恩大学学生提供)

らない」と訴えた。

大学生集団抗議事件が頻発

大学のウェブサイトによると、大学は東南アジア華僑・呉慶星氏およびその一族が設立した仰恩基金会によって、1987年に創設された全日制普通高等学校であり、国家より学歴証書および学士資格を授与される最初の私立大学であると記している。また、国内外の専門家、教授経験豊富で、学術レベルが高く、教授に全力を注ぐ教師を招聘し教授するとアピールしている。

一方、情報によると、中国では民間大学および独立学院(大学と同資格)はすでに600以上があり、民間大学の在校学生数は280万人を超えており、公立大学より著しく成長しているという。

しかし、アナリストは、これらの私立大学の殆どが虚偽の宣伝をし、就職率を誇張するなどの手口で学生を募集しており、教師の質が悪く、学費を高くしていると指摘した。最終的に、学生らが卒業したときに、募集時の内容と相違し、大学学歴の卒業証書を入手できないことから、学生の団体抗議暴動事件の発生につながるのだと分析した。

(記者・辛菲)
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