中国「臓器狩り」報告会、大阪で開く

2009/07/13
更新: 2009/07/13

【大紀元日本7月13日】中国で迫害されている法輪功学習者を狙った「臓器狩り」告発が「紛れもない事実である」ことを検証したカナダの人権弁護士デービッド・マタス氏は7月11日、大阪・難波で報告会を開いた。中国で迫害されている法輪功学習者を餌食とする「臓器狩り」は、軍部のネットワークがなければ実現することは不可能であり、最初の検証から三年を経た現在に至ってもいまだに続けられていることを指摘した。

この週の前半は東京で報告会や有識者らの会合で勉強会を開き、後半は韓国で報告会を行った後、大阪入りしたマタス氏は、ほとんど疲れをみせず、理路整然とした検証報告はさらに説得力を増すものであった。

マタス氏がカナダ政府元閣僚デービッド・キルガー氏とともに報告書を初めて公表したのは、三年前の06年7月6日。その日は東京・有楽町で記者会見を行った日と奇しくも重なった。

中国政府は、報告書が公表された同日に声明文を発表し、全面的に否定したが、常識的に考えれば、公表されると同時に声明文が出るのは矛盾があり、中国当局の狼狽ぶりが現れたと言える。

報告書が指摘するのは、中国当局が発表している臓器移植に関するデータの不整合性である。死刑囚からの臓器摘出はそれ自体人権問題となるが、中国政府はそれを認めている。ところが、死刑受刑者の数自体はほとんど変化がないにもかかわらず、法輪功学習者への迫害が始まった99年以降に臓器移植件数が急増している。

国際社会からの非難を浴び、中国政府は、報告書が出された翌年07年に移植に関する法律を改定し、指定する病院でしか移植手術は認められず、海外からの移植ツアーも激減した。にもかかわらず、移植件数自体はそれほどの減少を見せず、むしろ08年からは法改正前とほぼ同程度の件数に戻っている。そのからくりは、海外の臓器移植手術希望者が、中国国内の希望者に変わっただけであった。その背景には、身元を明かさない、つまり、臓器移植関係者が自由にできる臓器のストックの存在があり、それが迫害で拘束された法輪功学習者である。

常に相手のことを考える法輪功学習者は、迫害が親族や友人などに及ぶことから、身元を明かさず、まさに闇から闇へ葬りさられることになり、臓器狩りの餌食になりやすいとマタス氏は指摘する。

正常な現場検証が不可能である中国の臓器狩り事情。英国のメディアなどが潜入取材を敢行し、病院関係者やブローカーなどから通常では考えられないほどのスピードで適合する臓器が供給できることは周知の事実となっている。

臓器ドナーシステムもなく、脳死状態からの臓器摘出が法的に認められない中国で、これほどの早さで臓器が提供できる背景として潤沢な臓器提供者をストックし、管理できるシステムがなければ不可能である。マタス氏は軍部のネットワークシステムが活用されていると指摘する。まさに国家的、組織的な犯罪ネットワークが存在しているのである。この犯罪に関与した者はすべて法の下で裁かれるべきであるとマタス氏は訴えた。

終始穏やかな、言葉のよどみもなく淡々と語るマタス氏。世界数十カ国を精力的に巡り、法輪功学習者の迫害停止を訴えるその原動力はなにかという質問に答えた。

「わたしは大阪よりも小さいウイニペグという町に住んでいる。人権侵害をこの町の人々に伝えるだけでなく、世界中の人々に伝えたいと思っている。 この人権侵害を終わらせる方法は、多くの人々にこの事実を知ってもらうことだ」と語り、中国と利害関係にない、独立した自身の立場だからこそ、中国政府に明確に訴えることができることを強調した。

(佐藤)
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