米国のムニューシン財務長官(左)、トランプ大統領(中)とライトハイザー通商代表(右)。(Chip Somodevilla/Getty Images)
メンツが大事?

通商交渉に温度差 米「満足していない」中国「ウィンウィン」

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在米中国問題専門家の胡平氏は米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)に対して、交渉後、中国国営メディアが「勝利した」と大々的に報道したことは、逆に中国側が負けたことを反映したと評した。

「中国共産党は、国内に向けて、メンツの丸つぶれをどうしても避けたかったのだろう。海外メディアに『中国の負けだ』と指摘される前に、いち早く中国当局が交渉で成果を獲得し、『勝利した』と中国国民に宣伝したかったのだろう」

また今回の交渉で米政府が目指す2000億ドル(約22兆円)の対米貿易黒字削減は達成できなかった。胡氏は、これが「米高官らが、厳しい態度を示した理由だ」との見解を示した。

共同声明発表後、中国国内インターネット上では、ネット検閲当局が「(中国が交渉に)負けた」などの書き込みを全て削除した。ソーシャルメディア「微博」では、国営中央テレビ(CCTV)の報道に対して500件のコメントがあった。しかし、その後は7件しか残されていない。そのすべては「米中双方が勝利した」との内容だった。

「米中は依然として対立している」

大紀元時事評論員の李沐陽氏は、米中は通商問題において溝を埋められていないと指摘した。

まず、中国側が最も重視している、米国による中国通信大手の中興通訊(ZTE)への制裁だ。19日の共同声明では触れられなかった。

トランプ大統領は13日、ツィッターに、中国の習近平国家主席とともにZTEの問題解決に協力し合っているとし、同社への制裁緩和を検討すると投稿した。

米メディアは、中国が今回の協議で、米製品購入増と引き換えに、ZTEへの制裁解除を米側に要求する可能性が高いと予測した。しかし、交渉終了後、共同声明のほかに、中国当局からの言及もなかった。クドロー氏は20日、ZTEへの制裁を変更しても「依然として厳しい措置が残る」との発言だけが報道された。

また、今回米側が要求する中国の製造業振興策「中国製造2025(メイド・イン・チャイナ2025」計画に関する政府支援の中止に関しても、共同声明には記されていない。

さらに、対米貿易黒字削減に関して、共同声明では「中国側が大幅な対米貿易黒字の削減に同意した」だけにとどまった。

米政府は中国に対して、2020年6月1日までに2000億ドルの対米貿易黒字を減らすよう求めている。しかし、米中はそもそも、その規模について認識が相違してる。米側が昨年の対米貿易黒字は3752億ドル(約41兆2720億円)と主張するのに対して、中国は2758億ドル(約30兆3380億円)だとした。

ロス商務長官は来週、中国を再訪問し、中国の米製品購入増について詳細を詰めるという。

トランプ米大統領は22日、ホワイトハウスで記者団に対して、米中通商協議の結果について「それほど満足していない」との感想を示したうえ、「これが始まりだ」と強調した。

また、大統領はZTEへの制裁見直しをめぐって、中国側と合意に至っていないと述べた。

(翻訳編集・張哲)