ドキュメンタリー「臓器のために殺されるー中国の隠された臓器ビジネス」スクリーンショット (NTD)
臓器狩り

国際移植会議、人権団体が「倫理違反」で中国医師を批判

2つの組織は、判決後必ず7日後に死刑執行されるのに、死刑執行で死亡した囚人の臓器と、臓器移植希望者の体質や臓器、血液型などの必要な相性テストが、「緊急移植手術」でどうして合致するのか。「こうした移植手術を可能にしているのは、あらかじめ体質データが把握された生きたままの人物が、オンデマンドで臓器のために超法規的に殺害されたと考えられる」と、ETACは書簡に書いている。

法輪功迫害の情報を伝える明慧ネットによると、北京、吉林省、遼寧省、河北省、貴州省などでは、法輪功学習者の家に公安当局者が押し入り、強引に血液検査を行う事例が報告されている。

北京女子労働教養所では、法輪功学習者だけが、医療車両で胸部X線検査を受けたという。同所で拘禁されていた情報筋によると、刑務所職員は医療車両について「国が輸入したものだ。世界でもトップクラスの医療設備で、とても高かった。法輪功のために準備したんだ」と話したという。

また、同情報筋によると、同所では血液検査が頻繁に行われている。「規定に基づいて」入所時と出所時に加え、半年に一度、血液検査が行われる。2年の労働教養なら6回、3年なら8回採血を受ける計算だ。

弾圧組織の代表だった肝臓移植医

鄭樹林医師は、直接的に、法輪功弾圧の政策に加担している。2007年から2017年まで、共産党の全国組織のひとつである中国反邪教組合の浙江省支部代表を務めていた。同組合は、全国で共産党イデオロギーにそぐわない法輪功などの信条団体に対して、アンチプロパガンダを広げ、信者に対しては、脅しや暴力といった非人道的な手法で、信条を放棄させる活動を展開していた。

同組織は、公安当局の一組織で全国に支部を持つ法輪功弾圧専門機関・610弁公室と連携し、法輪功弾圧を推し進めてきた。

2016年、医学誌「肝臓インターナショナル」に鄭医師は共著の研究論文を発表した。しかし、肝臓移植手術数のデータが、自発的な臓器提供数のデータと一致しないと複数の医師からの指摘を受け、同誌は論文を取り下げた。同誌はまた、鄭医師と共著者に対して無期限の論文掲載禁止にした。

ETACは、こうした経緯のある鄭医師の出席を許可した、国際移植会議運営側を厳しく批判した。「国際移植会議が医学の犯罪に目をつむれば、組織の健全性と評価を傷つけるだけでなく、倫理性も失墜するだろう」と、同副代表スージー・ヒューズ氏は大紀元の取材に答えた。

ETAC顧問ウェンディ・ロジャース氏もまた、「非論理的な慣行に罰則がなければ、鄭医師の犠牲者に示す正義もない」と取材に答えた。

医療倫理学上、問題があると疑われる中国の関係者が、国際移植会議に出席したのはこれが初めてではない。

2018年5月24日、中国衛生部の元副部長(厚生労働省副大臣に相当)で、中国移植委員会の代表を務める黄潔夫医師は、スイス・ジュネーブで開かれた世界保健機構(WHO)主催のイベントに出席し、中国の2010年~2018年の移植手術は、自主的な臓器提供者からの臓器が使われたと述べた。

ワシントンに拠点を置く医療倫理団体である「強制臓器奪取に反対する医師の会(DAFOH)」代表トルステン・トレイ医師は、黄潔夫氏の掲げたデータの信ぴょう性に疑問を呈した。

大紀元の取材に応じたトレイ医師は、「黄潔夫氏は(第三者が確認できるような)透明性あるデータを示していない。これでは臓器が誰のものだったのかはわからない。信頼できるデータを示さなければ、中国が国際社会で信頼を得ることはない」と述べた。

(文アニー・ウー、編集フランク・ファン=英文大紀元エポックタイムズ/翻訳・佐渡道世)