THE EPOCH TIMES
真実と伝統
評論

トランプ大統領の失望 習近平主席は「もう友人ではないかも」最後通告か

2018年09月29日 11時15分

今年の国連総会で、トランプ大統領は間違いなく最もスポットのあたる人物だった。最終日、彼は「習主席とはもう友人ではないかもしれない」との爆弾発言で、メディアからはさらなる関心が注がれた。

大統領は習主席について、良い友情関係を築いていたと前置きしたうえで、関係の終わりをにおわす言葉を放った。

同時に、トランプ大統領の習主席に対する失望を示していた。それは、中国共産党政権が米国のレッドラインに踏み込んだことによるものと推測できる。

1本目のレッドライン 米国の選挙に介入し 民主主義を破壊する

2017年11月、トランプ大統領はアジア歴訪の一訪問国である中国へ。国賓待遇を受けた。北京の人民大会堂での夕食会で、習近平主席と握手を交わすトランプ大統領(GettyImages)

「この国で生まれたことは最も幸運なことだ。私は深く感謝し、誇りに思っている」。大統領は著書『再び偉大に(原題:Great Again)』で、母国への愛と敬意を語っている。

米国独立宣言には、創造主が生命に与えた自由と幸福を追及できる権利について記している。米国の自由と民主主義は無数の争いと血の犠牲を被って築いた成果であり、米国人が共有する伝統と歴史の遺産だ。

今日、中国共産党はサイバー攻撃やメディアのプロパガンダ(政治的宣伝)を通じて、米国の選挙に介入しようとしている。米国の伝統を破壊するような妨害行為を図る「友人」を、トランプ大統領は見限った。

トランプ大統領は26日の国連安全保障理事会の席で、11月に行われる米国の中間選挙にむけて中国共産党政権が妨害を画策しているとの認識を明らかにした。

「彼らは、私が勝利することを望んでいない。なぜなら、私が初めて中国に挑戦を仕掛けた大統領だからだ」。トランプ大統領は国連安保理の会議で述べた。「われわれは今後の選挙で彼らに干渉されたりしないようにする」と決意を改めて語った。

2本目のレッドライン 米国の主権介入 ロシアに次いで中国共産党も 

 

2016年の大統領選挙ではロシアの介入があったが、ヒラリー候補の当選に有利に働くためにも、オバマ民主党政権は黙認を続けた。ヒラリー氏が敗北すると、「ロシアによる選挙介入」を理由に、合法性を保ったトランプ選挙陣営に「違法性」のレッテル貼りをするような、数多くのリベラル派メディアの報道が席巻した。

トランプ大統領は2018年7月22日のTwitterで、「なぜオバマ大統領はロシアの介入を知っていたのに、何もしなかったのか?…ひねくれヒラリーが勝つと考えていたからだ!」と書いた。

サイバー専門家キャセイ・フレミング氏は、大紀元の取材に対して、中国は「米国選挙に介入、侵入し、操作する。混乱を作り出し、左右の対立を生み出す。米国の不安定化を招くといった旧ソ連の筋書き通りに動いている」と指摘する。

国連安全保障理事会に出席していた中国の王毅外交部長(外相)は、トランプ大統領の選挙介入の指摘を受けたその席で、「中国はどの国家にも内政干渉したりしない。これは中国の外交政策の伝統だ」と否定した。さらに「中国に対する不当な告発を拒否する」と述べた。

フレミング氏によると、王氏の回答は「間違いなく嘘だ。これは、非対称戦(正攻法でないゲリラ戦)の基本的な手法だ…さらに中国の意見は、もっともらしい拒否権によって保護されている」と述べた。

3本目のレッドライン 米国農家を傷つけた

トランプ大統領は当選以来、繰り返し農家への敬意を示し、大切にしていることを強調してきた。大統領の中で、農家は国を守る兵士の地位に等しい。

「私たちの国は農家により設立された」「独立した国家の維持は農家の勝利であり、広大な土地は農家が育てている」「兵士は農家によって養われている」「我が国の歴史は、農家により開拓されてきた」。2018年1月、テネシー州ナッシュビルでの米国で最大の農業圧力団体(AFBF)総会でのスピーチで述べた。

米大統領がこの会で登壇したのは実に25年振りだった。米国200年の歴史のなかで、強力な国力と堅固な基礎を築いたのは農家による成果が大きい。こう強く認識するトランプ大統領が、深い敬意を農家に示した。しかし、この数十年来、前政権による不公平な自由貿易協定により、米国の農家は損失を被ってきた。トランプ大統領は公正な取引と生活の改善を農家に近い、米国内陸部を中心に絶大な支持を集めた。

貿易戦で苦戦する中国共産党政府は、同国市場の40%を占める米国産の大豆に対して報復関税をとった。米中貿易戦による4月以降、大豆価格は12%も下落し、米国の農家を苦しめた。

大統領は、農業州であるアイオワ州の現地大手紙に、中国官製英字紙チャイナ・デイリーが、あたかも現地紙の一部のように折り込まれていたことに、直接Twitterで言及した。政権への不信感と、農家への対立をあおるこの手法は、彼の逆鱗(げきりん)に触れた。


地方紙の一部のように差し込まれていた中国官製紙チャイナ・デイリーに言及するトランプ大統領。画像と共に(Twitter@realDonaldTrump)

中国の影響力を抑制する

 

トランプ政権はまた、米国にある中国国営メディア2組織をあらたに、外国代理人として登録し、影響力の抑制を図っている。さらに9月20日、「国家サイバー戦略」に署名した。公開された計画によると、中国を念頭に「サイバー犯罪の可能性がある経済スパイや知的財産窃盗による数兆ドルに及ぶ被害を食い止める」ものだという。

米国知的財産権侵害委員会(IP委員会とも呼ばれる)のデータによると、知的財産の盗難による被害額は1800億ドル(約20兆円)から5400億ドル(約60兆円)に及ぶ。

戦争を予防するために

米トランプ政権の高官は国連総会開催期の9月26日、記者団に対して、中国共産党政権による米国に向けられた妨害活動は「容認できないレベルだ」と述べた。

高官は、共産党はソフトパワーやプロパガンダを担う前線組織、統一戦線部の工作が、政治・経済・商業・軍事・情報関連のツールを駆使した多岐にわたるアプローチを展開していると語った。

「ビジネスマンやシンクタンク、映画製作所、ジャーナリスト、宗教指導者、また政治家さえも中国の政策への賛否で、報酬を与えたり罰したりしている」と述べた。

さらに、高官によると、米政府が機密扱いとしてきた中国共産党による工作を近い将来公開すると述べ、ペンス副大統領がその詳細を10月初めには語る予定だという。

フレミング氏は、トランプ政権は、米国経済と国家安全保障を守るために経済的、政治的な枠組みの中で、可能な限りを尽くそうとしていると述べた。「同時に、トランプ政権は、その戦争を予防している、あるいは中断させていると考えられる」と付け加えた。

トランプ大統領は、米国内の分離と動乱を扇動する共産主義と左翼の戦術を卑劣だと認識している。国連総会の一般演説でも、社会主義と共産主義に対して、世界各国が抵抗するよう呼びかけた。この戦術を仕掛ける中国共産党政権に対して、さらなる深刻な制裁を与える可能性が高い。

「もう友人ではないかも」との発言は、最後通告として読み取れる。

(評論=唐浩、シャルロット・キャスバートソン/翻訳編集・佐渡道世)

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