[香港 7日 ロイター] – 香港きっての繁華街で有数の観光スポットの「尖沙咀(チムサーチョイ)」で7日、「逃亡犯条例」改正案に反対する数万人規模のデモ行進が行われた。中国本土からやってきた人たちに、実情を伝えて支持を呼び掛ける狙いだ。
香港では犯罪者の中国本土への引き渡しが可能となる条例改正を巡って市民が猛反発し、数週間にわたって大規模な抗議行動が発生。一部の若者が暴徒化して立法会(議会)に突入する事態も起きた。香港政府は条例改正の作業停止によりこのまま廃案とする方針を示したが、民主派などは完全撤回を求め、混乱が収まる気配は見られない。
一方で中国本土では、香港の連日の騒動は検閲によってほとんど報道されていない。
こうした中で尖沙咀では、条例改正反対派が中国本土から訪れた観光客を意識してデモ行進を実施。時折、香港で主に使われている広東語ではなく、本土の標準語である北京語でスローガンを叫んだり、道行く人にビラを配るとともに、ソーシャルメディアを通じた情報発信などに励んだ。
デモ行進の企画者の1人はロイターに、香港人がいかに平和裏に行進し、本土からの訪問者に抗議の内容を伝えられているかという情報を拡散できるところを見せたいと説明した。
