米、グラクソ機密窃盗疑惑の中国人研究者引き渡しをスイスに要求

2019/07/09
更新: 2019/07/09

[チューリヒ 8日 ロイター] – 米政府がスイスに対し、英製薬大手グラクソ・スミスクライン<GSK.L>の企業秘密窃盗を支援した容疑で逮捕された中国人研究者の身柄引き渡しを求めていることが、8日公表されたスイスの裁判所文書で明らかになった。

文書によると、米政府が身柄引き渡しを要求しているのは Gongda Xue容疑者(49)で、昨年8月に米国でグラクソの秘密窃盗を巡り有罪を認めた中国系米国人の科学者 Yu “Joyce” Xue被告の兄。

米当局によると、グラクソから盗まれた秘密は5億5000万ドル相当で、腫瘍細胞に対処する抗生物質などの情報が含まれるという。

米当局の起訴状によると、Gongda Xue容疑者は、妹が盗んだグラクソの秘密を当時勤務していたスイスの研究所で試験し、その結果を中国当局に渡した疑いが持たれている。

スイス当局は5月に同容疑者を逮捕。「有罪判決が下れば、最長20年の禁固刑となる可能性がある」とされ、米政府の身柄引渡要求を検討する間、逃亡のリスクがあるとして身柄を拘束していると当局は説明した。

Reuters
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