トランプ氏、弾劾調査を非難 民主党はホワイトハウスに召喚状

2019/10/03
更新: 2019/10/03

[ワシントン 2日 ロイター] – トランプ米大統領は2日、ウクライナ大統領との電話会談をめぐって野党民主党が進めている弾劾調査について、「すべてでっちあげ」などと反論した。一方、民主党はホワイトハウスに同会談の関連文書の提出を求める召喚状を出す方針を示した。

トランプ氏はフィンランドの大統領との共同記者会見で、弾劾調査に関するロイターからの質問に「こうしたでっちあげに加担しているのは、フェイクニュースメディアだ」と非難。ゼレンスキー氏との電話会談については、ウクライナの汚職問題を念頭に置いたものだとし、米国がウクライナに多額の資金を拠出していることに言及。「腐敗した国には資金を提供したくない」と述べた。

トランプ氏は7月の電話会談で、来年の米大統領選を有利に運ぶために野党民主党の有力候補であるバイデン前副大統領の調査を求めてゼレンスキー氏に圧力をかけた疑惑が浮上している。これを受け、民主党が多数派の下院は先週、トランプ氏弾劾に向けた正式調査を開始した。

下院監視・政府改革委員会のカミングス委員長は、ウクライナ関連文書の提出をホワイトハウスに求める召喚状を4日に出す意向を示した。調査を主導する下院情報特別委員会のシフ委員長は2日、記者会見で、トランプ政権による証言妨害の可能性に深刻な懸念を表明。トランプ氏やポンペオ氏らによるそのような行為は司法妨害と見なされると指摘した。

トランプ政権側は、弾劾調査についての民主党の要求を繰り返し拒否している。 ポンペオ国務長官は1日、弾劾調査を進める下院委員会が要請した国務省の高官ら5人の宣誓証言を拒否する考えを示した。[nL3N26M3RT]

同長官は2日、トランプ氏とゼレンスキー氏の7月の電話会談に同席し、会話の内容を聞いていたことを認めたが、トランプ氏の発言は、東欧諸国の政治腐敗抑制や景気対策、ウクライナ国内でのロシアの脅威排除といった米国の政策方針に沿った内容だったとし、会談が適切だったとの認識を示した。[nL3N26N2HO]

ロシアのプーチン大統領も2日、トランプ氏がゼレンスキー氏の電話会談で圧力をかけた証拠はないとの見解を示し、汚職疑惑の調査を依頼することに問題はないと指摘した。

Reuters
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