日産インフィニティ、中国主要都市の事務所閉鎖 従業員の半数を解雇=報道

2020/04/25
更新: 2020/04/25

日産自動車の高級車ブランド「インフィニティ」はこのほど、上海、広州、成都の各事務所を閉鎖し、大規模なレイオフを実施した。 オート市場では、仏ルノーのように、インフィニティも主力事業を中国から撤退する可能性があると予想されている。

中国自動車市場を伝えるポータルサイト・網上車市は4月23日、インフィニティは現在、主要都市の事務所を閉鎖し、北京本部だけで仕事を続けていると報じた。また、コスト削減のために従業員を300人から170人に減らした。さらなるレイオフの可能性もあるという。

インフィニティは現在、中国本土での販売が低迷している。中国製の2車種「QX50」と「Q50L」は、大幅に値下げ(それぞれ8万元、7万元)したが、中共ウイルス(新型コロナウイルス)流行の影響を受け販売台数が減少した。

インフィニティは、ホンダのアキュラ、トヨタのレクサスと並ぶ日本の三大高級車ブランド。インフィニティは2007年に中国本土市場に参入し、2012年5月には本社を米国から香港に移した。本土は北米に次ぐ世界第2位の市場となり、2014年には日産自動車と湖北省拠点の東風汽車集団有限公司は、合弁事業として東風日産を設立している。インフィニティブランドの QX50は同社大連工場で、Q50Lは襄陽工場で生産している。

市場アナリストは、販売不振、レイオフの継続、事務所閉鎖、本土自動車市場の見通しの悪さから、東風汽車と合弁事業を展開していたが最近停止した仏ルノーと同様に、インフィニティも中国市場から撤退する可能性があると予測している。

東風インフィニティの3月の販売台数は884台、第1四半期の販売台数は1766台。

中国市場から撤退したばかりの東風ルノーは第1四半期に663台の販売台数にとどまり、ルノーは4月14日、中国本土の自動車大手・東風集団との合弁事業を停止し、本土の主力事業から撤退すると発表した。

2019年6月上旬、日産自動車の公式サイトは、2020年半ばまでにインフィニティのグローバル本社を香港から日本の横浜に移転すると発表していた。

インフィニティの親会社である日産自動車も、累積販売台数は第1四半期に前年同期比39.9%減、3月に前年同月比44.9%減となっており中共ウイルス流行の影響を大きく受けている。日産は、武漢市と湖北省の襄陽市と石燕市、広州市、鄭州市、大連市に工場や事務所を構え、中国本土と緊密に連携してきた。

また、日産自動車は4月21日、日本の横浜市にあるグローバル本社と神奈川県にある主要な研究開発センターを16日間操業を停止と発表した。これにより、新型乗用車の顧客への引き渡し時期に遅れが出ている。

(翻訳編集・佐渡道世)