大紀元時報

台湾=アフガン?中国国営メディアの分断工作 米台政府が批判、立場も明確化

2021年8月20日 23時22分
台湾台北市にある超高層ビル「台北101」(陳柏州/大紀元)
台湾台北市にある超高層ビル「台北101」(陳柏州/大紀元)

アフガニスタン危機発生後、中国共産党機関紙、人民日報系の「環球時報」は16日、「今日のアフガニスタン、明日の台湾」と題した社説を発表し、「アメリカはいざという時には台湾を見捨てる」と煽り、台米関係を分断する論調を展開している。 米台両政府はこれを批判し、それぞれ立場を表明している。

ジェイク・サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、17日の記者会見で、「台湾については、文脈の異なる全く別の問題である」とし、台湾に対する米国のコミットメントはこれまでと同様に強固であると強調した。

バイデン大統領は、18日の米ABCニュースとの独占インタビューで、「北大西洋条約第5条(集団防衛条項)に対する米国のコミットメントは神聖なものであり、米国の同盟諸国への侵略や行動があれば、米国は対応する。これは、日本、韓国、台湾でも同様である。(アフガニスタンとは)まったく比較にならない」と反論した。

8月17日、匿名を希望するバイデン政権の高官は、米Foxニュースに対し、米国は1979年の台湾関係法(TRA)に基づいて台湾の自衛を支持し、一方的な現状変更には反対するという対台湾政策を継続すると述べ、「中国の国営メディアは、アフガニスタンの人々の苦しみを利用して米国を攻撃している。これは、責任ある国がすべきことではない」と批判した。

台湾の蔡英文総統は、18日に行われた与党・民進党の中間報告会でアフガニスタン情勢に言及し、台湾にとっては、共通の価値観や利益を共有するパートナーと協力・連携することがより重要であるとし、「自分では何もせず、他人の保護だけに頼るのは、私たちの選択肢ではない。拠り所となる価値観を持たず、台湾への武力行使を放棄しない人たちの一時的な善意や施しに頼るのは、なおさら私たちの選択肢ではない」と力説した。

台湾の蘇貞昌・行政院長(首相)は、17日のインタビューで「今、台湾を力ずくで飲み込もうとする強大な国がある。しかし、我々は殺害や収監を恐れていない。我々はこの国とこの土地を守らなければならない。(中略)台湾を侵略・占領しようとしているあの外国勢力には、妄想するなと伝えなければならない」と、中国共産党に状況を見誤らないようにと警告した。

学者「台湾は明日のアフガニスタンにはならない」

台湾問題専門家で、米スタンフォード大学の主任研究員であるカリス・テンプルマン(Kharis Templeman)氏は18日、台湾アフガニスタンを比較することは「悪い例え」であるとツイートし、「台湾は明日のアフガニスタンにはならない」理由を説明した。

まず、テンプルマン氏は、米台の安全保障関係は72年続いているが、米国が2001年の911事件(同時多発テロ事件)をきっかけに、アフガニスタンでテロとの戦いを始めたのは、わずか20年前のことであると指摘した。

次に、米国は台湾に長年にわたる政治、経済、安全保障上の利益を有している。例えば、台湾は2019年の二国間貿易額が855億米ドルで米国の10番目の貿易相手国であるのに対し、アフガニスタンは貿易額が7億9700万米ドルで105番目であり、米台の貿易総額の1%にも満たないという。

さらに、アフガニスタンでは、地域の勢力が中央政府を積極的に侵食している。 しかし、台湾の事実上の独立と安全保障の維持は、日本とアジア太平洋地域の近隣諸国にとって深い関心事である。

テンプルマン氏は、米国の台湾に対する安全保障コミットメントの信頼性を評価する基準は、アフガニスタンではなく、日本、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランドであるべきだと主張する。これらの国々は、インド太平洋地域で正式な防衛条約を結んでいる米国の上位5カ国の同盟国であり、台湾と同じ脅威である中国(共産党)に直面しているという。

米政治評論家のクライド・プレストウィッツ(Clyde Prestowitz)氏は、18日付の英字大紀元紙(ザ・エポック・タイムズ、the Epoch Times)に掲載した記事「アフガニスタン台湾」の中で、「米政府がアフガニスタンとの関係を断ち切った理由の一つは、インド太平洋地域における中国共産党の影響力の増大と覇権主義的な行動という大きな問題に注意を向けるためであった」と指摘している。

(翻訳編集・王君宜)

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