自民党総裁選の所見発表演説会でスピーチを行う高市早苗前総務相 (Photo by YOSHIKAZU TSUNO/POOL/AFP via Getty Images)

高市早苗前総務相、安全保障とリスク最小化に焦点 将来を見据え最先端技術にも言及

高市早苗前総務相は17日、自民党総裁選の所見発表演説会で、安全保障問題への対応とリスクの最小化を最重要課題とし、日本経済強靭化と積極的な危機管理投資を行っていくと述べた。日本の伝統的価値観を重んじると同時に次世代を意識した未来を創造すると強調。時代に沿う雇用や子育て、インフラなど具体的な政策案を示した。

スピーチの冒頭では、苦境の中にいる人々に気遣い、台風14号の接近にも言及。岸田文雄前政調会長と同様、新型コロナウイルス感染症と戦う菅首相に敬意を表した。そして現下の苦境を乗り越える方策について、新薬や国産ワクチンの早急な開発と、医療資源などのサプライチェーンの保護する必要性を説いた。

高市早苗氏は、防災や感染症対策、経済安全保障、サイバー攻撃などのリスクの最小化に向けた危機管理投資と法制度整備を最重点にして取り組むと述べた。日本に対するサイバー攻撃が急増していることも触れ、医療や交通、生活インフラにおけるサイバー防御態勢の確立を急ぐ考えを示した。

経済面では、雇用と所得の増大につながる大胆な成長投資と、厚い中間層の再構築に資する各種税制の推進、子育て世代への補助などを推進する。大企業のテレワーク導入や地方への本社移転の流れに触れ、地方における行政サービスの向上と雇用の創出など、地方創生にも意欲を示した。

高市早苗氏は日本経済強靭化計画を掲げ、金融緩和、緊急時の機動的な財政出動、そして大胆な危機管理投資成長投資という三つの政策を実施して経済を立て直すと述べた。

日本が誇る高い技術力も活用する。危機管理投資を行い、各種災害や気候変動に対応しうる土木建築技術や農林水産業技術を開発する。国内に利益をもたらすだけではなく、同様の課題を抱える国への技術輸出を計画する。同時に、国産量子コンピューターの開発と、高レベルの放射性廃棄物を生じない小型核融合炉による電力の安定供給を二大国家プロジェクトとして掲げた。

時代の要請にこたえる新しい日本国憲法の制定と、環境エネルギー省の創設、情報通信省及びサイバーセキュリティ庁の設立など、令和の省庁再編にも取り組む姿勢を示した。

高市早苗氏は演説の最後に次のように述べた。

「日本の国は現代の人々の為だけにあるのではない。長い歴史のなかで、田畑を耕し、産業を興し、地域社会を守り、伝統文化を育み、時には命を懸けて美しい国土と家族を守ってきた祖先たちの国でもある。そして、これから生まれてくる子供たちの国でもある。一時代を預かっている私たちには、祖先から受け継いだ精神文化と優れた価値を守りつつ、新たな挑戦を続け、美しくつよく成長する国日本を作り、次世代に確かな未来を送る責任がある。私たちなら必ず成し遂げることができる」。

(王文亮)