ビジネス向け交流サイト(SNS)「リンクトイン(LinkedIn)」のロゴ(Carl Court/Getty Images)

リンクトインがまた検閲、複数米記者の中国版ページをブロック

米マイクロソフト(Microsoft)傘下のビジネス向け交流サイト「リンクトイン」は最近、「禁止内容」が含まれているとして、複数の米記者の中国版ページをブロックした。米共和党のリック・スコット(Rick Scott)議員が同社とマイクロソフト社に書簡を送付し、説明を求めた。

「これまで、こんな検閲をやっているのは中国政府や中国企業。今、米国企業が社員を雇って米国人を検閲している」

ツイッターでこう憤ったのは米メディアAxiosの記者で、中国問題の専門家でもあるベサニー・アレン・エイブラヒミアン(Bethany Allen-Ebrahimian)氏。28日、リンクトインから「禁止内容がある」として、リンクトイン中国版サイトでは表示できないとの通知を受け取った。他の国では引き続き表示されるという。

彼女の投稿を受け、米メディアの北京駐在記者だったメリッサ・チャン(Melissa Chan)氏、米紙ニューヨーク・タイムズなど著名紙や雑誌に寄稿しているグレッグ・ブルーノ(Greg Bruno)記者も、リンクトインから同様の通知を受け取ったことがあると明かした。

アレン・エイブラヒミアン氏は2019年12月、世界銀行が台湾人職員に対し、「中国のパスポートがなければ雇用できない」と国籍変更を強いた事件をスクープした。その後、世界銀行は「技術的なミス」と釈明し、関連ルールを修正した。

2014年から中国語版サービスを開始しリンクトインは中国のネット規制に関する法律を遵守すると表明していた。そのため、ほとんどの米大手SNSが中国で利用禁止される中、リンクトインだけは中国国内から直接アクセスが可能だ。

リンクトインによる言論統制は今回が初めてではない。

米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は今年6月、学者、研究者、政府当局者ら少なくとも10人が、リンクトイン中国版によってブロックされたと報じた。

かつて天安門事件に関する文章を投稿した莫乃光(チャールズ・モック)香港元立法会議員や、天安門事件の学生運動指導者だった中国出身の周鋒鎖氏、台湾支持および反共産党関連の書籍を執筆している著名学者J・マイケル・コール(J Michael Cole)氏らも、リンクトインから同様のブロックを経験していた。

米戦略国際問題研究所(CSIS)の上級研究員であるジェームス A. ルイス(James A. Lewis)氏は、中国のルールに従って言論統制を行うリンクトインについて「彼らの仕事は金儲けのためだけだ」と指摘した。

リック・スコット米上院議員(共和党)は29日、マイクロソフトの最高経営責任者 (CEO)であるサティア・ナデラ(Satya Nadella)氏や、リンクトインCEOのライアン・ロスランスキー(Ryan Roslansky)氏ら宛てに書簡を送付した。

スコット議員は書簡の中で、米企業である同社が中国政府のために、米国人記者を検閲していることに重大な懸念を表明した。

同氏は同社に対して、記者らの中国版ページをブロックした理由、リンクトインにとって不都合な内容、ブロックは中国政府の要求なのかなどについて説明するよう求めた。

「マイクロソフトは米国市民や記者の権利よりも、中国政府を喜ばせることに興味があるのかもしれない」と非難した。

リンクトインの登録ユーザー数は全世界で約7億3800万人(今年4月時点)、中国では約5300万人がサービスを利用している。

(翻訳編集・李凌)