EU主催の会議に出席するイングリダ・シモニーテ首相。7月に撮影 (Photo by STEPHANIE LECOCQ/POOL/AFP via Getty Images)

「自由はDNAに刻まれている」リトアニア首相、ビデオレターで香港と台湾に言及 「今度は私たちが恩返しする番」

自由や法の支配を求めて活動する人々を讃える「ジョン・S・マケイン自由賞」が今年、リトアニアに授与された。リトアニア首相は表彰式に寄せたビデオレターの中で同国が共産主義から脱却した歴史を取り上げ、いまだ独裁政権の脅威にさらされている東欧諸国や香港、台湾に支援の手を差し伸べる考えを示した。

ジョン・S・マケイン自由賞」は、自由と民主主義の促進を支援する非営利組織・国際共和党研究所(IRI、ワシントン拠点)によるもの。自由と公正な選挙を求めるベラルーシ人に対するリトアニアの支援が評価され、受賞に至った。

「自由は私たちのDNAに刻まれている」

リトアニアイングリダ・シモニーテ首相はビデオレターのなかで、リトアニアとその国民によるベラルーシへの支援が評価を受けたことに感謝の意を示した。同国は2020年8月、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領の強権体制に対する抗議デモへの支持を表明し、迫害を受け国外逃亡したベラルーシ人難民の一部を受け入れた。

シモニーテ首相はリトアニアが共産主義の支配から脱却した歴史を取り上げ、ソ連崩壊から独立に至るまでの道のりを振り返った。そのなかで、自由主義諸国からの関心と支援が大きな支えになっていたと語った。

リトアニア・メディニンカイで、「人間の鎖」をつくってベラルーシの反政権派に連帯を示す人々。2020年8月23日撮影(PETRAS MALUKAS / AFP/Getty Images)

「自由を取り戻すことができたのは、リトアニアの人々の勇気があったから。また、世界が私たちの戦いを見て見ぬふりをしなかったから。自由な世界の国々や政府が、私の状況を知り、支えが必要な時にそばにいてくれたから」とシモニーテ首相は述べた。

独立からすでに30年以上が経ったいま、リトアニアは自由と民主主義を謳歌している。いっぽう、東欧のベラルーシやウクライナ、そして東アジアの香港や台湾はいまだ独裁政権の脅威にさらされている。

このような現状について、「私たちは自由と民主主義に移行することができた。今度は私たちが恩返しする番だ」とシモニーテ首相は強調する。そして必要とされる場所に支援の手を差し伸べる考えを示し、次のように語った。

「自由は私たちのDNAに刻まれている。これは永遠に変わることがないだろう」。

台湾も祝福、両国の友好関係を強調

リトアニアの受賞を受けて、台湾の蔡英文総統と外交部(外務省に相当)は祝福のメッセージを送った。

蔡英文総統は21日、自身のツイッター上で「私たちはリトアニアの人々の自由と民主主義への取り組みを称賛し、両国間の強固な友好関係を大切にしていきたい」と書き込んだ。

台湾の外交部も非公式の外交交流を持つリトアニアの受賞を歓迎し、「権威主義や抑圧を拒否する人々に寄り添う友人の受賞に拍手を送る。リトアニアのDNAには自由と民主主義が入っている」とコメントした。

リトアニアは対外援助として、台湾に対し新型コロナウイルスのワクチンを提供している。

国際共和党研究所は今年、リトアニアのほかにもミャンマーやベラルーシ、キューバの民主主義の指導者たちを表彰した。

IRIは1995年から個人や団体にジョン・S・マケイン自由賞を授与している。これまでに、ローマ法王ヨハネ・パウロ2世、ロナルド・レーガン米国大統領、コリン・パウエル元国務長官、自由を求める香港市民らに賞を贈っている。