香港中文大学で学生が開催した2019年の抗議活動の記念イベント (Photo by Anthony Kwan/Getty Images)

香港の大学、洗脳教育を必修科目に 教室内に監視カメラ

香港では、「国家安全教育」を必修科目にする大学や専門学校が増え、教室内での監視カメラの設置が広まっている。ロイターが報道した。

ロイターは香港浸会大学学生の証言として、同校の講義室には、1台以上の監視カメラのモニターが設置されたほか、講義中にカメラマンが立ち入り撮影していた、と報じた。

同大学で同必修科目を担当するのは、親中派として知られる範凱傑・弁護士。初講義では200枚近くのプレゼンテーション資料を用意し、国家安全維持法に違反する場合の厳しい罰則を警告した。プレゼン終了後、学生に20の選択問題が出された。

たとえば、「政府に普通選挙の実施を求めるため、SNSのグループで鉄道を遮断して市民の通勤を妨げることを呼びかけた場合、どの罪になるか」という設問があった。

回答の選択肢には、「国家分裂を煽る」「国家政権の転覆」「テロリズム」「外国勢力との結託」などの罪名が並べられている

講義に対する香港と本土の学生の反応は二極化している。

香港出身の学生は「このような問題への回答はトラブルを引き起こし、場合によっては当局に起訴されるのではないか」と恐れている。もう一人の香港人学生は、同講義は「学生のマインドを作り直そうとしている(洗脳)」と表現した。

中央政府は5月、「国家安全教育」を本土の大学の必修科目にするよう義務付けた。

ロイターのインタビューに応じた本土出身の男子学生は、「香港人の学生は欧米諸国の影響を受けて、国家安全維持の意識が欠けているのに対し、我々本土の学生は幼少時からこの種の教育に『浸って』きたため、自国に対する強いアイデンティティを持っている」と講義の開設を歓迎した。

同講義の関連教材を閲覧した香港理工大学の元助教授、香港民意研究所副所長の鐘剣華氏は8日、米国営放送ラジオ・フリー・アジア(RFA)のインタビューで、「これは(中央)政府のスピーカーだ」」と切り捨てた。

同氏が得た情報では、香港の大学は今後、講義全過程の録画が義務付けられるという。

香港理工大学の学生自治会の幹部はRFAの取材に対し、9月に新学年が始まってから、多くの教室に監視カメラが設置されるようになったと明かした。

(翻訳編集・叶子静)