2018年1月31日、台湾・高雄市の海軍左営基地で、毎年恒例の訓練に参加した後、補給艦「盤石」の甲板で旗に敬礼する台湾の水兵たち。(Photo credit should read MANDY CHENG/AFP via Getty Images)

中共による「グレーゾーン作戦」の脅威高まる=台湾国防報告書

台湾国防部は9日、最新の国防報告書を発表した。中国共産党による台湾の安全保障への脅威が増大していると指摘し、特に情報戦や世論工作など武力攻撃ではない「グレーゾーン作戦」がもたらす脅威について警鐘を鳴らした。

同日、国防部は「110年国防報告書」のオンライン発表会を開催した。戦略企画司の陳黄栄副司長や戦略計画司国防政策処の鄧克雄氏、史順文報道官、シンクタンク・国防安全研究院資源と産業研究所の蘇紫雲所長らが出席した。

台湾の国防報告書は2年ごとに発行される。今年は、中国語版と英語版、マンガ版に加えて、人々の読書習慣に応じるために電子書籍も配布されている。鄧氏によると、当局の「2030バイリンガル政策」の実施により、同書は今年初めて中国語と英語の両方で同時に発行された。

国防部長・邱国正氏「強力な軍隊を建設し、強い抑止を」

邱国正・台湾国防部長は序文で「自主的な国防があるこそ、自主的な国家がある」と述べた。

同氏は新しい武器や装備の獲得、組織の再編は、軍隊を増強するために重要だが、「軍隊が戦闘能力を著しく強化するという目標を達成するためには、依然として訓練を実施する必要がある」と話した。強力な防衛力で、敵が戦争を仕掛けられないよう抑止することが目的だという。

同氏はさらに、「台湾海峡の情勢は全世界にとって重要であり、地域の安定と平和を維持するためには、集団の力が必要だ」とし、価値観を共有する国々と安全保障協力や持続可能な開発を期待していると語った。

中共は台湾で頻繁に活動し 「グレーゾーン作戦」を脅かしている

今回の国防報告書では、平時とも有事とも判断し難い中共の「グレーゾーン作戦」の脅威を指摘した。武力攻撃を使わず、情報戦略により「戦わずして勝つ」との目標を達成しようとしていると注意した。

報告書は、グレーゾーン作戦として台湾への侵略手段、サイバー戦争の脅威、認知戦争の危険性などを挙げている。同時に中共は近年、国防予算を継続的に投入し、国防・軍事力の近代化に多くの資源を投入し、台湾に対する戦略・戦術をますます多様化させていると指摘した。

「さまざまな軍事的な行動を用いて、わが国の早期警戒能力や対応行動を試している。わが国の軍事力を抑止し、圧力をかけ続けている」と述べた。

蘇氏は報告書を受けて、中共が伝統的な軍事力の脅威だけでなく、知覚戦争やインターネットによる偽情報で国民の士気に影響を与えるなど、あらゆる手段を使って台湾に対する圧力を強めていることが明らかになったと述べた。