中国共産党の洗脳宣伝への本格的反撃が急務

2022/02/25
更新: 2022/02/25
コメント

中国共産党の初代指導者である毛沢東は、かつて「我々の宣伝活動の方針は、全党と全土に、革命は必ず勝利するという信念を築くことである」と言ったことがある。

1949年の中華人民共和国 (PRC) の樹立から今日に至るまで、毛沢東からその後継者(現在の習近平を含む)の指導の下、中国共産党は米国と世界に対して大規模かつ組織的な宣伝活動を展開してきた。政治的目標を達成するために、彼らは国営メディア、テレビ、ラジオ、雑誌や新聞、ソーシャルメディアなどのメディアを総動員し、自国民や敵対者に対して情報戦や心理戦を行ってきた。

毛沢東は当初、中国人の生活のあらゆる面における権力と支配を強化するために、国内の宣伝に集中していた。1976年の毛沢東の死後、中国共産党が外部に目を向けるようになると、外国人に影響を与えることを目的とした宣伝も加えられた。

中国共産党は多くの官僚機構を通じて、中国のすべてのメディアを支配している。その中でも最も重要なのが中国共産党中央宣伝部(中宣部)であり、すべてのメディア関係者を監視し、その内容を統制している。例えば、国務院直属の規制機関である国家ラジオテレビ総局(国家広播電影電視総局)と新聞出版総署も中宣部が所管している。

1989年6月4日の天安門広場虐殺事件後、中国共産党は「中国政府の国際的イメージを高める」ことを目的に、対外宣伝活動の窓口として「国務院情報局(国務院新聞弁公室、SCIO)を設置した。公式サイトには、「中国国務院新聞弁公室は1991年に設立された。その主な任務は、国内メディアが中国の内政と外交、経済と社会の発展、中国の歴史、科学技術、教育、文化の発展などを世界に発信することを推進することである」と書かれている。

皮肉なことに、SCIOは、中国共産党の組織内では「中央対外宣伝弁公室」と呼ばれている。

中国には、新華社通信、中国新聞社、中国国際テレビ局(CGTN)、中央人民広播電台(CNR)、中国国際放送局(CRI)、中国日報、環球時報、中国軍網、解放軍報など、数多くの国営メディアが存在する。これらのいわゆる「報道機関」はすべて、中国共産党の厳しい統制下にある。

中国共産党のプロパガンダ:その目的と手法

中国共産党のプロパガンダの目的には、次のようなものがある。

  • 言論統制(中国共産党の路線を貫かなければならない)
  • 検閲(ナチスドイツの宣伝相ヨーゼフ・ゲッペルスが言ったように、「真実は国家の最大の敵である」)
  • 中国共産党の冷酷で身勝手な権力支配を維持すること(これが中国共産党の最優先事項である)
  • 政府の「決定権」を強化すること(何をするかを決められるのは中国共産党だけだ)
  • 政府(中国共産党)の政策を推進すること。
  • 真実をかき消すこと(協調的で一貫して繰り返される宣伝を通じて)
  • 大衆を洗脳すること(心理戦と調教によって、人々はどんな状況であれ、中国共産党のシナリオを「受け入れる」ように仕向けられる) 
  • 政権の安定性を強化すること(中国共産党は政権を維持する手段として、安定を好み、促進している。不安定をもたらすような反対意見は容赦なく押しつぶされ、国内での継続的なプロパガンダは、安定を促進するための一般的な手段である)

中国共産党のプロパガンダは、上記の目的を達成するために様々な方法を用いている。その一つは、大嘘と多くの小嘘を使うことだ。

大嘘とは、合理的な人間にはほとんど信じられないような、とんでもない主張のことである。例えば、中国共産党は、SARS-CoV-2ウイルス(新型コロナウイルス、中共ウイルス)は中国国外に由来し、「中国ウイルス」と呼ぶことは人種差別であると主張し続けている。

小嘘は、大嘘を補強するために、網のように織り込まれている。例えば、ウイルスの起源について動物由来説を支持する「友好的な外国人」の言論(特に欧米メディアの報道)を引用したり、他国(特に米国)に責任を押し付けたり、中国の「ゼロコロナ」政策の成功を強調したり、中国共産党が支配する国際機関(世界保健機関など)を利用して中国共産党のウイルスに対する見方を宣伝したりするなど、たくさんの小嘘があるのだ。

大嘘とそれを補強する小嘘が、何の逸脱もなく延々と繰り返される。繰り返しはプロパガンダを成功させる重要な要素だからだ。あるメッセージが頻繁に繰り返されれば繰り返されるほど、時間とともに真実として受け入れられる可能性が高くなる。特に反論が弱く、あるいは存在しない場合にはなおさらだ。これを覚えておいてほしい。

中国共産党が用いるその他のプロパガンダ手法は技術的なものだ。例えば、動画の操作、ソーシャルメディアの偽アカウントの悪用、人工知能を用いたソーシャルメディア上の多数のボットやトロール(荒し)の管理などがある。

中国共産党が使うもう一つの重要な宣伝方法は、一般的に理解されている西洋の用語を改ざんし、誤った正統性を与えることである。中国の国営メディアや習近平総書記、外交官たちは、中国共産党が「良性」であると世界に信じ込ませるために、しばしば「中国の特色ある」という言葉を使い、その真意を混乱させ歪曲している。

その例として、以下のようなものがある。

  • 「中国の特色ある社会主義」
  • 「中国の特色ある多国間主義」
  • 「中国の特色ある全過程人民民主」
  • 「中国の特色あるグローバル・ガバナンス」
  • 「中国の特色ある人権」

上記のフレーズには、すべて次のような実態と真の意味が隠されている。

  • 中国の社会主義は、旧ソ連や北朝鮮の社会主義と何ら変わりはない
  • 中国共産党の主導による多国間主義
  • 中国では中国共産党が政治の全過程を支配しているため、全過程人民民主は意味不明である
  • 中国共産党の全体主義的指導の下でのグローバル・ガバナンス
  • 中国の特色ある人権は、少数民族や宗教への大量虐殺や弾圧に等しい

残念ながら、中国共産党は広く理解されている用語に「中国の特色ある」という言葉を加え、執拗に繰り返しているため、多くの人が「慈悲深い」中国共産党が西洋の原則と方法を取り入れていると信じてしまっているのだ。これが心理戦の成功の要素であり、敵を含む他者を説得し、プロパガンダを疑うことなく受け入れさせている。

中国共産党からすれば、この50年間に生み出した良い成果は、欧米による中国政府への譲歩である。ここ数年見てきたように、これは中国共産党による更なるいじめや侮辱、自国民や近隣諸国に対する好戦的な行動を助長するようになった。

おわりに

毛沢東は、中国で権力を握った当初から、大衆をコントロールするためのプロパガンダの重要性を認識していた。そして、中国政府は長年にわたり、中国共産党指導部からの支援と、莫大な人材と資金を投入し、プロパガンダを芸術の域にまで高めてきたのである。

習近平政権と彼の官僚がより過激で攻撃的な姿勢をとるようになった事は、中国共産党のプロパガンダに対して、協調的で統制の取れた対応が必要だという事を浮き彫りにしている。対応のためのネットワークの要素は存在し、賢明なリーダーシップとビジョンによって統合することができる。これについては、本連載の第2回で解説する。

 

執筆者プロフィール

ステュー・クヴルク(Stu Cvrk)

米海軍で30年間、現役および予備役としてさまざまな任務に就き、中東と西太平洋で豊富な作戦経験を積んだ後、大佐として退役した。海洋学者、システムアナリストとしての教育や経験を経て、米国海軍兵学校を卒業し、古典的なリベラル教育を受け、それが彼の政治評論の重要な基盤となっている。

オリジナル記事:英文大紀元「Time for Serious Counter-Propaganda Operations Against Communist China

(翻訳・王君宜)