トランプ氏、バイデン氏事務所は「機密文書の存在知っていた」

2023/01/15
更新: 2023/01/15

トランプ前大統領は、今週初めにバイデン大統領の弁護士が明らかにした、11月にペン・バイデン・センターで発見された機密文書の経緯について疑問を抱いている。

1月11日に公開された自身のポッドキャストで、トランプ氏は「バイデン氏らは11月2日のずっと前から知っていたはずだ」と、Just the Newsの創設者であるジョン・ソロモン氏に語った。

トランプ氏は、「バイデン氏はおそらく最初から知っていて、その多くは彼が保管していた書類であり、ウクライナに関係したものだと思う。彼らは長い間このことを知っていて、それについて何もしなかったのだ」

1月9日、大統領特別顧問のリチャード・ザウバーは、外交・グローバル・エンゲージメントに携わるワシントンのペン・バイデン・センターで、「11月2日、機密事項が記された文書が鍵のかかったクローゼットで発見された」と発表した。「同日、ホワイトハウスの弁護士が国立公文書記録管理局(NARA)に通知し、翌日、同局が資料を所有した」と、ザウバー氏は付け加えた。

副大統領としてのバイデン氏の任期は2017年1月に終了した。その1カ月後にペンシルベニア大学の教授となり、同校の「ペン・バイデン・センター」を率いる役割を与えられ、2018年2月に正式に開所した。同大学のウェブサイトによると、バイデン氏はフィラデルフィアの同校キャンパス内に事務室も構えていた。

バイデン氏は、大統領選への出馬を表明した2019年4月に無給休暇となった。

1月10日、かつての個人事務所で機密文書が発見されたことを知り、バイデン氏は「驚いている」と述べた。

「私は機密文書の発見について説明を受け、そのオフィスに持ち込まれた政府の記録があったことを知り驚いた」とバイデン氏は語った。「私は文書の中身を知らない」とも強調した。

さらに、バイデン氏は「私はその箱を彼らに、そして彼らはその箱を公文書館に渡した」と付け加えた。「私たちはその調査に全面的に協力している」

二重基準

「今回見つかった副大統領時代のバイデン氏の文書がマール・ア・ラーゴ(トランプ氏私邸)の政府文書に関するスミス特別顧問の調査をどのように変えるのか」と問われたトランプ氏は、「まあ、完全に変えると思う」と答えた。

トランプ氏は、「私は大統領記録法の下で完璧だった。全く何も間違っていなかった」と付け加えた。

FBI捜査官は、トランプ氏私邸から機密または最高機密と記された約100の文書を含む1万1000以上の文書と写真を押収した。いっぽうトランプ氏は、大統領退任時に資料の機密指定を解除したと主張している。

トランプ氏は、FBIがバイデン氏や息子のハンター・バイデン氏の財産を捜索するよう提案した。

「バイデン氏が所有するこれらの場所、彼の家、ハンターの家はどうするんだ?自分と同じように、FBIか誰かがそこに押し入って調べるのか?」

ケビン・マッカーシー下院議長やジェームズ・コマー下院監視委員会委員長などの共和党議員は、機密文書の取り扱いをめぐって、バイデン政権は二重基準になっていると批判している。

「バイデン氏は副大統領時代に、機密文書を自分のシンクタンクに保管していた。大統領になり、司法省にトランプ前大統領を調査させている。資料の機密解除の権限を持つのは副大統領ではなく大統領だけだ」と、1月10日レスコ議員はツイッターに書き込んだ。

さらに、「司法省のダブルスタンダードと司法制度の二重構造が全面的に表れている」とも述べている。

しかし、下院民主党コーカス議長ピート・アギラーは、火曜日の記者会見で、バイデン氏に対する共和党の批判を共和党の偽善の極みと呼んだ。

中国

また、トランプ氏は北京がペン・バイデン・センターで見つかった機密文書を見ている可能性が高いと示唆し、中国筋がペンシルベニア大学に数百万ドルの寄付金を支払っていることに言及した。

4月、ニューヨーク・ポスト紙は、ペンシルバニア大学が2014年から2019年の間に中国から総額5460万ドルの寄付を受けていたと、公文書を引用して報じた。

「中国がペンシルベニア大学を通して、バイデン氏に全ての金を払っていたことは事実だ」とトランプ氏は述べた。「そこにはバイデン・センターがある。想像するに、中国はこれだけの金を払っているのだから、その文書に完全にアクセスできたのだろう。そして、彼らはその文書を見たのだろう」

トランプ氏は9日にも同様の主張を行い、自身のSNSトゥルース・ソーシャルで、「ペン・バイデン・センターは、中国から資金提供を受けている。北京から5400万ドルが同センターに渡っている」と書き込んでいる。

ペンシルバニア大学の広報担当者であるステファン・マッカーシー氏は、トランプ氏の指摘について米紙ニューズウィークに声明を出し、疑惑を否定した。

「全くナンセンスだ。同所は中国やその他の外国の団体から、いかなる贈り物も求めたり受け取ったりしたことはない」と、マッカーシー氏は語った。

「実際、大学は同センターへの贈り物を求めたことはない」とマッカーシー氏は付け加えた。「2017年の設立以来、(2人の寄付者から)3件の未承諾の寄付があり、合わせて1100ドルとなっている。寄付者はいずれもアメリカ人で、ペン・バイデン・センターの予算の100%は大学の資金からきている」

大紀元は、ホワイトハウスにコメントを求めている。

(翻訳・大室誠)

台湾在住のジャーナリスト。米国、中国、台湾のニュースを担当。台湾の国立清華大学で材料工学の修士号を取得。
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