中国本土で流行するウイルス、より致死率の高い変異株の可能性=学者

2023/01/19
更新: 2023/01/19

昨年12月以降、ゼロコロナ政策の解除が決まると中国本土で感染は急拡大した。重症者や死亡者が急増し、医療・火葬体制は追いつかなくなった。中国当局が主張する「ウイルスは弱毒化した」との主張に、専門家は疑問を投げかける。

元香港大学博士研究員でウイルス学者の閆麗夢(えん・れいむ)氏は、中国本土で流行するウイルスは「他国よりも高い重症化率と致死率」をもつ変異株の可能性を指摘する。

閆麗夢氏によれば、現在イタリアに海外渡航した中国人から検出された変異株から免疫を回避する機能が備わっていることが、遺伝子解析によって明らかになっているという。

「この亜種はオミクロン株と非常によく似ているものの、免疫回避(Immune Evasion)能力が備わっている」と大紀元の取材に語った。

「この3年間で世界の大半の人は免疫力となる抗体を持っている。しかし、この変異株は(免疫を回避して)抗体を通り抜けていく。結果的に重い症状を引き起こすものとなりうる」と続けた。

閆麗夢氏は、中国当局がウイルス遺伝子情報や感染状況について隠蔽しているため、実態把握には相応の時間がかかるだろうと述べた。

中国ワクチンの影響?

多くの中国ネットユーザーから「ワクチンを打ったにもかかわらず」二次感染したとの声が聞かれる。中国本土の情報は不透明で断片的であるため、仮説の域を出ないとしたうえで、閆麗夢氏はある可能性を述べた。それは、中国本土で接種されている不活化ワクチンによる抗体への影響だ。

中国の新型コロナウイルスワクチンは軍事科学院軍事医学研究院の陳薇研究員のチームが開発した。不活化技術を使ったワクチンは増殖速度が早いインフルエンザワクチンには有効だが、比較的緩やかな新型コロナには抗体ができにくいとされる。

閆麗夢氏はADE(抗体依存性感染増強現象)の可能性を挙げた。ワクチン接種によってできた抗体がウイルスの細胞への侵入を防ぐのではなく、逆に細胞への侵入を助長する現象のことだ。

「不活性化ワクチンは理論的にADE効果が出やすい 」とも付け加えた。

武漢から広がった新型コロナウイルスが世界的な感染症となった2020年4月、閆麗夢氏は香港を出た。現在は米国在住。中国共産党政権に対して感染拡大の責任を追及するよう呼びかけている。

中国疾病対策予防センター(CDC)や軍の研究機関、病院のデータなどから、ウイルスは中国共産党が開発した生化学兵器であるとする報告書を発表している。昨年12月に発表された、米下院情報特別委員会の報告書でも同様の見解を示している。

大紀元日本 STAFF