米FDA、未だにイベルメクチン使用停止勧告を取り下げず 「権限逸脱」との判決を受け

2023/09/19
更新: 2023/09/19

米国食品医薬品局(FDA)が新型コロナウイルスの治療薬としてイベルメクチンの使用を止めるように勧告したことは、「権限逸脱」との判決が下った。しかし、FDAは使用停止を求めた声明などを未だ変更していない。

米連邦控訴裁判所は1日、新型コロナの治療薬としてイベルメクチンを使用することを「止める」よう人々に指示したFDAの声明は、議会によってFDAに与えられた権限を超えているとの判決を下した。

連邦巡回裁判所のドン・ウィレット判事は「FDAは情報を提供することはできるが、消費者に薬の服用を止めるよう勧告する権限はない」とした。

しかし19日現在、イベルメクチンの使用停止を求めたFDAのSNS投稿やウェブページには変更が見られない。

その中には、2021年8月21日にX(旧Twitter)の投稿も含まれる。FDAは、イベルメクチンを家畜用の駆虫薬とし「あなたは馬でもなければ、牛でもない。みんな、冗談抜きで(使用するのは)やめろ」と呼びかけている。

また、この投稿にリンクが貼り付けられたFDAのウェブページも更新されておらず、「新型コロナの治療や予防のためにイベルメクチンを使うべきではない」と記載されたままだ。

2023年6月5日、マサチューセッツ州ホワイトオークにある米食品医薬品局(FDA)(Madalina Vasiliu/The Epoch Times)

控訴裁判所はFDAにいかなる措置も命じていないため、声明などの変更義務はないが、原告のロバート・アプター博士は、FDAが変更する意思を示さないことについて、異論を唱えている。

アプター氏はエポックタイムズの取材で「倫理的な観点から言えば、FDAはイベルメクチン使用停止の勧告をするなと言われている。FDAは裁判所の判決に従い、新型コロナの早期治療に有効な再利用薬(イベルメクチン)を使用しないよう勧告することをやめる倫理的、道徳的義務がある」と強調した。

一方で、FDAは判決が下された後の声明で「イベルメクチンを新型コロナの予防や治療に使用することを認可あるいは承認していないが、その使用が安全あるいは有効であるとも明言していない」と主張した。

「医療従事者は、未承認の用途が個々の患者にとって医学的に適切であると判断した場合、承認されたヒト用医薬品を未承認の用途に処方することを選択することができる」と付け加えた。

削除された項目も

この判決を受けて、FDAの別のページが削除された可能性がある。そのページには次のように書かれていた。

「質問:新型コロナの予防や治療のためにイベルメクチンを服用すべきですか? 答え:いいえ」

アーカイブによれば、このページは今年の時点ではまだ掲載されていたが、いつ削除されたのかは不明だ。

裁定

連邦第5巡回区控訴裁判所は1日、前出のアプター博士など3人の医師を支持し、以前の判決を覆す判決を下した。

3人の医師は2022年、イベルメクチンを患者に処方しようとしたことを理由に解雇されるなど、FDAの声明によって職業上の損害を被ったとしてFDAを提訴していた。

The Epoch Timesで米国および国際ニュースを担当。拠点は米国メリーランド州。
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