中国の製造業景気が後退 10月のPMIは再び縮小

2023/11/01
更新: 2023/11/01

中国の10月の製造業活動は、サービス業の成長鈍化とともに予想外に縮小し、景気回復への不透明感がさらに深まった。

10月31日、中国国家統計局は、10月の製造業やサービス業の購買担当者景気指数(PMI)が0.7ポイント低下し49.5になったと発表した。これは市場予想の50.2を下回った。

エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)のシニア・エコノミスト、シュー・ティアンチェン氏はロイターに対し「PMIの低調さは、中国の住宅市場の低迷やインフラ支出の減速に関連した需要の低迷を反映している。輸出は復調傾向が見られるものの、外需の力強い回復は期待できない」と述べた。

新規受注指数は前月比で1.0ポイント低下の49.5となり、輸出入の受注は8か月連続で減少している。ロイターのアナリストは、これはコロナ禍後、中国の景気回復が弱いことと製造業の収縮を反映し、メーカーは海外のバイヤーを見つけることが困難であり、海外からの注文部品が少なくなっていると述べた。

10月の非製造業景況指数は50.6と前月より1.1ポイント低下したが、依然として拡大域にある。業種別にみると、建設業は53.5と前月比2.7ポイント低下、サービス業は50.1と前月比0.8ポイント低下した。

業種別では、鉄道運輸業、航空運輸業、郵便業、電気通信業、ラジオ・テレビジョン放送業、衛星放送業の業況判断指数が高好況圏の60.0を上回った一方、資本市場サービス業、不動産業、その他の業種の業況判断指数は臨界点を下回った。

経済危機に直面する中、中国共産党(中共)は先週、第4四半期に1兆人民元(約20兆6千万円)の国債発行を承認し、投資と経済成長を支援するため、地方政府が2024年の国債割当額の一部を前払いすることを認める法案を可決した。

10月には、人民銀行は短期政策融資を通じて2020年末以来最大の現金支援を実施し、銀行の信用拡大と低金利の維持を可能にした。

しかし、アナリストは楽観的ではなく、北京が年率5%の成長目標を達成するには、さらなる政策を導入する必要があると主張している。
 

曾子亨
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