火鍋の中から「注文していないモノ」が出た 鍋スープの再利用か?=中国

2023/11/11
更新: 2023/11/11

火鍋(フォグオ、ひなべ)は中国式の鍋料理で、今では日本の中華レストランでもおなじみのメニューになっている。その火鍋が今、よからぬ意味で「火」が着いて、話題になっているようだ。

今月7日、江蘇省常州市の飲食店で、注文した火鍋料理のスープの中から「注文していない麺のカス」が出てきた。その様子を映した動画が、SNSで拡散されている。

撮影した客は「前の客が残した鍋スープを、再び出したのではないか」と疑っている。

これについて店側は「鍋をキレイに洗わなかったから、たまたま残留していただけだ」と言い訳している。そうであっても衛生上の問題があるはずだが、店側は「再利用」については否定した。

挙句の果てには「(スープ)の再利用ではない!」と逆ギレ気味に強調したうえで、客に謝罪するどころか「調査中だ」という始末だ。

 

11月7日、江蘇省常州市の飲食店が出した、火鍋料理のスープの中から出てきたのは「注文していない麺類のカス」。店側は「スープの再利用ではない」と主張する。(SNS投稿動画よりスクリーンショット)

 

関連の動画をめぐり、ネット上では「こんなこと(中国では)今に始まったことではない。よくあることさ」といった、ゾッとするようなコメントが多数寄せられている。

「私も同じ経験あり。注文していない具のカスが入ってたよ」

「火鍋の店で、鍋スープの再使用なんてのは、ニュースにもならない『常識』だね」

そのほか「前の客の鍋スープを再利用したのでなければ、地溝油下水道の廃油を集めて原料にした油)を使っているに決まっている」など、ネットユーザーの議論は熱を帯びるばかりだ。

「これこそ、中国にしかない特色料理だ」のコメントは、習近平氏の名言(迷言?)である「中国の特色ある社会主義」をもじったもの。「ネズミの頭が出なかっただけでも、ラッキーと思え」は、近ごろ相次ぐ「ネズミの頭」が料理から出てくる事例をふまえた、皮肉たっぷりのコメントである。

「倫理」という言葉は、中国語の語彙にも同じ漢字をつかって存在する言葉である。しかし、昨今の中国では「食の倫理」「医の倫理」「商売上の倫理」など、全ての倫理観が人間の心から消えた。

食事客からのクレームに対して、店側は「没洗干净(よく洗っていなかったから)」と言い訳をする。しかし、客への謝罪の言葉はなかった。鍋から異物が出てきたという直接の問題だけでなく、人間として重要な部分が欠落していると言うしかない。

 

(客のクレームに対して、店側は「没洗干净(よく洗っていなかったから)」と言い訳をする。しかし、客への謝罪の言葉はない)

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。
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