パンデミックから学習しないWHO なぜ中共が疫病データを公開しないか問うべき=専門家

2023/11/29
更新: 2023/11/29

中国で疫病が再び大規模に発生し、北京、上海など、中国で最も医療環境の整った大都市で感染状況が最も深刻だ。そうした中、11月27日、世界保健機関(WHO)関係者は、中国共産党(中共)当局から提供された情報に基づき、患者の急増は前回の新型コロナウイルス(私たち大紀元グループは「中共ウイルス」と呼んでいる)のパンデミックほど深刻ではないと述べ、新しい病原体や異常な病原体は検出されなかったと主張した。

専門家らは、中共が感染、入院、重症化、死亡した子供の人数についていかなるデータも公表しておらず、WHOの声明は中共が国際社会を欺く手助けをしている可能性があり、非常に深刻な結果を招くだろうと指摘している。

4年前の新型コロナウイルスの発生当初、中共はWHOに対しても、ウイルスは「人から人への感染」はなく、「予防可能でコントロール可能」だと述べた。WHOもそれに追随して中共の嘘を流し、世界的な公衆衛生上の緊急事態の宣言を遅らせた。その結果、ウイルスは全世界に蔓延し、少なくとも667万人が死亡した。中共はデータを隠蔽しており、この数字には中国の死亡者数は含まれていない。

専門家:WHOは中共になぜデータを公開しないのかを問うべき

中国の病院では小児患者があふれ、重症化と死亡したケースが多く報告されている。各地の多くの小児病院は満杯状態にあり、小児科はほぼ定員を超えて運営されている。中共は肺炎マイコプラズマに感染していると主張しているが、多くの子供はマイコプラズマ検査で陰性だ。

世界感染病監視ネットワークProMEDは「謎の呼吸器疾患が広範囲に発生している」と警告している。

11月27日、WHOの伝染病・パンデミック準備・予防部門代理のマリア・ヴァン・ケルクホフ氏は、中国における呼吸器疾患の急増は、コロナウイルスのパンデミック前ほどではないとし、最近の症例では新しい病原体や異常な病原体は確認されていないと付け加えた。

ケルクホフ氏は「(中国側に)大流行前の比較を尋ねた。彼ら(中共)は現在の流行のピークが、彼らが2018~19年に見たピークほど高くない」と語っている。

米陸軍研究所のウイルス学科実験室主任も歴任した林暁旭博士は、このように指摘した。

「これまでのところ、中共は、何人の子供が感染し、入院し、重症化し、何人が集中治療室に入室し、何人が流行によって死亡したかに関するデータを一切発表していない」

「中共は公式な統計を発表していないのに、中共がWHOに提供した統計を信じるのか?  いつ統計を行ったのか?  なぜ中国人はこの統計を見ることができないのか?  このデータは改ざんされたのか? 新種のウイルスが見つかっていないのなら、何を隠す必要があるのか?」

「真に責任あるWHOのスタッフなら、 『なぜこのような検査結果が公表されないのか?』と中共の幹部に尋ねるべきだ」。
 

WHOのお墨付き、非常に深刻な結果をもたらす

中国問題専門家・王赫氏はエポックタイムズに応じ、「WHOは、中共を盲目的に支持するのではなく、そのデータを批判的な目で精査すべきだ」と指摘した。

「中共のデータは透明性に欠け、信頼性に欠けている。もしWHOが一貫して中共の公式データを無条件に支持するならば、それは中共が国際社会を欺く手助けをすることになり、非常に深刻な結果を招きかねない。新型コロナの集団感染の経験は、我々全員にとって『教訓』だ」

都市封鎖後の武漢の人気のない街路 (Stringer/Getty Images)

WHOは感染爆発の深刻さを著しく過小評価し、その甘い対応によって、相当数の国が警戒を失い、中共ウイルスの蔓延を食い止める絶好のチャンスを失った。

台湾は2019年12月31日にWHOに警告を発し、人から人への感染の可能性を示唆していた。その後、2020年1月12日、北京大学の「専門家」である王広発氏はテレビで、流行はコントロールできると主張した。

同年1月14日、WHOのホームページには「人から人への感染の証拠は見つかっていない」「人から人の感染は否定できないが、そのリスクは比較的低い」という中共の声明が表示されていた。

2020年1月23日、中国共産党は武漢の都市封鎖を急遽発表した。公式データによると、封鎖前に約500万人が武漢から逃げた。その後、タイ、日本、韓国、シンガポール、米国で感染者が確認された。

1月28日、テドロス事務局長は習近平と会談し、中共の「透明性」を称賛。

1月30日、WHOは国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態を宣言。

3月9日、WHOは渡航や貿易の制限は推奨していないと主張し続けた。

3月10日、WHOは「世界的大流行」と宣言せざるを得なかった。

今回の疫病に関して、WHOの専門家らは再び中共の発言を繰り返し、林暁旭氏は「WHOの職員らは自分の責任を果たしていない。彼らが中共に加担しているのか、それとも単に無知なのか、私には分からない」と述べた。

駱亜
中国語大紀元の記者、編集者。
黄雲