診察受けるまで「5日間待ち」 病状が悪化した児童の親が病院を糾弾=中国

2023/12/02
更新: 2023/12/02

このごろ、ある北京市民の投稿が注目されている。その投稿によると「子供が熱を出して病院に連れて行ったが、診察を受けるまで5日間もかかった。その間に病状が悪化し、はじめは気道感染だったのが肺炎になった」という。

現在の中国の病院は、あまりにも多くの患者が殺到して、もはや「医療崩壊」といっても過言ではない状態である。その実情を浮き彫りにしたこの親の怒りの投稿に、ネット上では多くの共感が寄せられている。

なかには、「医師の数が少なく、手に負えないのは明らかだ。それなのに、なぜこんなに多くの受付札を出すのか。これでは患者に対して無責任だ」として、病院の対応に不満を持つ親が、病院の受付に抗議するケースもある。

これに対して、病院側は「多くの人は急診窓口で受付をしている。急診の場合、制限できないというのが病院のルールだ」という。

杭州にある「浙江大学医学院附属児童医院」で、7時間待っても子供を診察してもらえないある父親は、病院の受付でついに爆発した。

「医者も大変なのは理解できる。しかし、私が言っているのは受付の問題だ。手に負えないのなら、なぜ1000番も受付札を出すのか。これでは無責任ではないか。私たち患者を馬鹿にしているのではないか」

この父親はさらに「患者が多すぎて手に負えないなら、はっきりとそうだと言ってくれ。そうならば私たちは他の病院へ行く。病院はここだけじゃない」と病院職員に向かって怒りを露わにした。

関連動画がSNSに拡散され、「この父親の言い分は、もっともだ」と支持するコメントが圧倒的だった。

中国では11月以降、北京、天津、上海、杭州など多くの大都市で病院が大混雑している。ネットに流出している情報によると、多くの患者は診察を受けられるまで、少なくとも数時間は待たなければならない。天津の児童医院の1日の診察患者数は、1300人に上るという。

 

(「浙江大学医学院附属児童医院」の受付に向かって、「患者が多すぎて手に負えないなら、はっきりとそうだと言ってくれ」と抗議する父親)

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。
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