日産自動車は、2025年3月期通期の業績予想について、最終利益が800億円の赤字になる見通しを発表した。同社が2月13日に明らかにしたもので、これは4期ぶりの最終赤字となる。構造改革や事業再生に伴うコスト増が主な要因だという。取締役会で本田技研工業との経営統合の交渉を正式に撤回する決定が行われた同日に発表された。
売上高と営業利益も下方修正
日産が今回発表した修正後の業績予想によると、売上高は12兆5千億円となり、前回予想の12兆7千億円から下方修正された。また、営業利益も1200億円と、前回の予想1500億円を下回る見込みである。最終赤字は2021年3月期以来で、当時は4486億円の赤字を記録していた。
経営統合交渉の撤回
日産はここ数年、業績の改善を目指して事業構造の改革を進めてきたが、その過程で発生するコストが収益を圧迫しているとされる。今回の赤字見通しは、同社が進めている再建プロセスの中で避けられない結果である可能性が高い。
先行きに不透明感
本田技研工業との経営統合交渉は、2019年以降、業界再編の一環として進められてきた。しかし、2月13日に行われた取締役会で、基本合意の撤回が正式に決定された。日産は今回の撤回について具体的な理由を明らかにしていないが、これまでの交渉過程における課題や市場環境の変化が影響したとみられる。
今回の発表を受け、日産の経営再建の道筋には依然として多くの課題が残ることが明らかになった。電動化や自動運転技術の開発など、世界的な自動車産業の転換期において、同社がどのように競争力を維持し、収益性を回復させるかが注目される。
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