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自然・科学 「気温が先に上昇し、その後にCO₂が増える」

核科学者マクドナルド氏 地球温暖化の主因はCO₂ではない

2025/04/30
更新: 2025/04/30

核科学者のディグビー・マクドナルド氏は、地球温暖化の主な原因が二酸化炭素(CO₂)ではないとの見解を示した。同氏は英語大紀元の番組「Bay Area Innovators」に出演し、「気温が先に上昇し、その後にCO₂が増加する」と主張した。

マクドナルド氏は、炭酸飲料を例に挙げて説明。気温が上がると飲料内の二酸化炭素が放出されやすくなり、炭酸が抜けやすくなると述べ、「だからこそビールを冷蔵庫に入れる。炭酸を保ちたければ冷やす必要がある」と語った。

気候変動の要因として、同氏は、地球が太陽の周囲を楕円軌道で公転する際に生じる軌道の規則的な変化「ミランコビッチ・サイクル」を挙げ、約10万年ごとに変化するとされ、軌道が最も楕円になると、地球が受ける太陽エネルギーが減少し、氷河期が訪れると言う。また、地球の自転軸のふらつき(歳差運動)や太陽黒点の活動も、気候に影響を与える主な原因として挙げた。

その上で、「私たちにはどうすることもできない。ただし、それでも問題はない。歴史的な記録を見れば、私たちは過去に何度も、気温の高低を繰り返してきたことが分かるからだ」と語った。

同氏によると、古代ローマ時代は、気温が現在よりも約2〜4度高い「温暖期」にあたり、当時は文明が大きく発展したと言う。

「現在の気温の位置づけとしては、過去の最低気温と最高気温の間の、およそ4分の1ほど上昇したところにすぎない。「つまり、まだ比較的低い段階にある。これからさらに上昇していく余地があり、しかもその変化はごくわずかで、たとえば摂氏で零点数度といった程度の違いにすぎない」

さらにマクドナルド氏は、北極の氷に閉じ込められた気泡を分光分析することで、過去のCO₂濃度と気温を調べることができると説明した。気温は、氷に含まれる同位体の分布から推定することができる。

「100年ほど前には、ロンドンのテムズ川で人々がスケートをしていた。これは『小氷期』と呼ばれる時期で、気温が大きく下がっていた。「つまり、私たちはミニ氷河期から回復しつつあり、気温は上がる以外に道はなく、今まさにその状態だ。CO₂とは関係がない」と語った。

また、CO₂を地球温暖化の原因とする政策については、「こうした主張に莫大な予算が使われているが、それは政治的なものだ。本来は医療やホームレス問題など、より喫緊の社会課題に使われるべきだ」と批判した。

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表している報告についても、「CO₂の増加が原因で気温が上がるという仮説に基づいているが、因果関係を十分に検証していない」と指摘。自身の研究により、「実際には気温が先に上がり、それに続いてCO₂が増加している」との結論に至ったと言う。

ダグラス・ライトフット氏の論文を引用し、温暖化ガスの中でも、実際に地球を温めているのは水蒸気だけだと述べた。CO₂、メタン、亜酸化窒素の影響は、非常に小さいと指摘した。

マクドナルド氏は、記事の中で、南極のボストーク湖で採取された氷床コアの分析では、気温の低下が先に起き、その後に大気中のCO₂濃度が下がったことが示されていると書いた。大気中のCO₂が減ると、海中で炭酸イオンと結びついて石灰岩として蓄積されると説明した。

同氏は、CO₂の役割や気候モデルの限界、排出削減の影響などの情報発信を目的に設立された「CO₂コーリション(CO 2 Coalition)」に参加している。同団体はCO₂は「汚染物質ではなく、植物にとっての栄養源であり、光合成に不可欠な要素だ」と強調している。

同団体には、地質学者や化学者、物理学者など多様な専門家が所属しており、メンバーの一人には、ノーベル物理学賞を受賞したジョン・クラウザー氏、そして著名な物理学者のウィリアム・ハッパー氏も含まれているとし、最近では、小中高校生(K~12)向けの教育プログラムも立ち上げたと言う。

マクドナルド氏は最後に、「地球にはひとつの『気候』があるわけではなく、地域ごとに異なる『気候』がある」と述べた。

サンフランシスコと70キロ離れたサンタクララでさえ気象条件が大きく異なると例を挙げた。

「気候とは、3か月ごとの天気の積み重ねであり、それぞれの地域に異なる気候があるのは当然のことだ」と語った。

マクドナルド氏は、政治家たちは二酸化炭素を非難する前に、自らの姿勢を見直すべきだと述べた。なぜなら、CO₂濃度が下がりすぎれば植物の生育が阻害され、やがて大量の飢餓と貧困を招く恐れがあるという。

サンフランシスコ湾岸地域を拠点とする記者で、北カリフォルニアのニュースを担当している。