日産自動車が、世界規模で約2万人の人員削減を実施する方針を固めたことが12日、明らかになった。これは、同社グループ全体の従業員約13万人のうち15%に相当する規模であり、これまで発表していた9000人の削減計画に加え、1万人超の追加削減を行うものだ。日産は13日に2025年3月期の決算発表を予定しており、その場で経営再建策の詳細が説明される見通しである。日本の大手メディア各社が報じた。
日産の業績は、2024年度から2025年度にかけて大幅に悪化している。特に中国市場や北米市場での販売不振が響き、2025年3月期の連結決算では過去最大となる最大7500億円の最終赤字に陥る見通しとなった。赤字の主な要因は、生産設備の減損損失や、販売台数の大幅な減少にある。中国市場では新興EVメーカーとの競争激化、アメリカ市場では追加関税による収益圧迫も懸念されている。
日産は2024年11月、すでに全世界で9000人の人員削減と生産能力の2割縮小、3工場の閉鎖を発表していた。しかし、業績回復が進まず、従来の合理化策だけでは不十分と判断し、今回さらに1万人超の追加削減を決定した。これにより、合計2万人規模のリストラとなる。削減の多くは生産部門が中心で、工場の統廃合や閉鎖も進められる見通しだが、具体的な対象や時期については、今後労働組合などと調整しながら決定される。
今回の大規模な人員削減は、日産の経営再建に向けた抜本的な構造改革の一環である。今後は、北米や中国など主力市場での競争力強化や、EV(電気自動車)をはじめとする新たな商品開発、ブランド力の回復が急務となる。日産の新経営陣は、経営効率化と収益構造の改善を目指し、早期の立て直しを図る方針だ。
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