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南アフリカ大統領 来週トランプ氏と会談へ

2025/05/15
更新: 2025/05/15

南アフリカ政府は5月14日、同国のシリル・ラマポーザ大統領とトランプ大統領が来週ホワイトハウスで会談を行うと発表した。これは、トランプ氏が以前、黒人が多数を占める南アフリカが国内の白人農民に対して「ジェノサイド(大量虐殺)」を行っていると非難したことを受けたものだが、南アフリカ側はこの指摘を否定している。

南アフリカ政府によると、会談は5月21日に行われる予定だ。会談に先立ち、12日には59人の南アフリカの白人が難民としてアメリカに到着した。トランプ氏は、南アフリカ政府が人種を理由に国内の白人農民を迫害していると主張しているが、南アフリカはこの主張を否定している。

ラマポーザ大統領のオフィスによれば、大統領は19~22日にかけてアメリカを訪問し、21日にホワイトハウスでトランプ大統領と会談する予定だ。南アフリカ大統領府は、今回の訪米の目的は「両国間の戦略的関係の再構築」であると述べた。

これは、トランプ氏が今年1月に大統領に就任して以来、初めてアフリカ諸国の首脳と行う会談となる。ホワイトハウスはこの件に関して、現時点ではコメントを出していない。

トランプ氏は、南アフリカの黒人主導の政府に対してこれまで複数回批判を行っており、2月7日には行政命令を発出して、アメリカの南アフリカへの支援を打ち切った。これは、トランプ氏が主張する「反白人政策」と「反米外交」を行っている南アフリカ政府に対する制裁措置だとされている。

また、12日、南アフリカの白人難民第一陣がバージニア州のワシントン・ダレス国際空港に到着した。その日、トランプ氏は「南アフリカでは白人農民に対する民族浄化が進行しているが、国際メディアはこれを無視している」と述べた。

南アフリカの白人は主にオランダ、フランス、ドイツからの植民者の子孫であり、これらの人々は17世紀に南アフリカに到着して定住し、かつてのアパルトヘイト(人種隔離政策)体制の主導者でもあった。南アフリカの人口は約6200万人で、そのうち約270万人が白人で、80%以上が黒人だ。また、英国系やその他の白人も約200万人存在する。

トランプ氏は、南アフリカ政府が白人少数派に対して差別政策を行っていると非難するだけでなく、外交政策においてもアメリカやその同盟国に対して挑発的な立場を取り、イランやパレスチナの過激派組織ハマスを支持していると批判した。

ラマポーザ大統領はこれまで何度も、トランプ氏と外交的な対話を行いたいと述べており、両国関係の改善を目指している。また、南アフリカの白人が迫害されているという見解については事実ではなく、トランプ氏の批判は誤った情報に基づいているとしている。

(本記事はAP通信の報道を参考にしている)

李馨