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風力や太陽光ではない 最も手頃で信頼できるクリーンなエネルギーは何か 

2025/05/17
更新: 2025/05/19

論評

政治的立場を問わず、政策立案者たちはますます手頃で、信頼でき、クリーンなエネルギーを支持するようになっている。これは当然のこと。現代社会は、手頃な価格で、必要なときに使えるエネルギーを必要としているからだ。環境への配慮も非常に重要である。手頃さ、信頼性、クリーンさの3つは、理想的なエネルギー政策を支える三本柱だ。

2つの新たな分析が、競合する電力源を評価し、手頃さ・信頼性・クリーンさのスコアカードを作成した。これらの分析は、ノースウッド大学とマッキナック・センターによって発表されたものと、私の所属する公共政策団体であるハートランド研究所によって発表されたもので、いずれも独立して行われたが、ほぼ同じ結論に達している。

両方の分析では、天然ガスが最も手頃で、信頼性が高く、クリーンな電力源であるということを見出している。天然ガスに次ぐのは、原子力、水力、石炭。逆に、手頃さのスコアカードで最下位に位置するのは、風力発電と太陽光発電だ。

天然ガスは、電力源として明らかに最もコストが低く、石炭が2番目に手頃だ。天然ガスはまた、大量の電力を安定して供給する能力が非常に高く評価されており、これは原子力や石炭も同様である。

風力や太陽光が従来型の電力源より安価であるという主張もあるが、実際はその逆で、風力と太陽光は、他の電源よりもはるかに多くの補助金を受けており、その結果、コストの大部分は電気料金ではなく、納税者に転嫁されている。

また、風力や太陽光は発電が断続的で予測しにくいため、送電網に大きな負担をかけ、風力や太陽光の変動を補うために、他の電源が非常に非効率に出力を頻繁に上げ下げする必要が生じる。さらに、風力タービンや太陽光パネルは人口密集地から離れた場所に設置することが多く、そのため電力を消費地へ届けるには広範囲で高コストな送電線網が必要となる。

上記の要素すべてを考慮した、競合する電力源の全体システムの均等化発電原価(LCOE)に関する査読付き分析によると、風力発電は天然ガス発電の7倍、太陽光発電は10倍のコストがかかることを示している。

これが、世界の大半、特に発展途上国のほとんどが、風力や太陽光発電施設ではなく、天然ガス、石炭、原子力発電所を建設している理由だ。

おそらく、これら2つの独立した分析で最も注目すべき結果は、風力および太陽光発電の環境面でのパフォーマンスの悪さだ。

風力や太陽光は、水力や原子力と同様に排出ガスはゼロだが、その他の多くの重要な環境要因に関しては非常に低い評価となっている。

風力と太陽光は、他の電源よりもはるかに広大な土地や生態系の開発・破壊を必要としている。また、風力タービンや太陽光パネルによる発電は、他の電源に比べてはるかに多くの動物を直接的に殺しており、その中には保護種や絶滅危惧種も含まれている。さらに、風力タービンや太陽光パネルに使用される有毒な鉱物やレアアースの採掘は、水や土壌の健全性に対して非常に大きく、かつ特有の悪影響を及ぼす。

今年初め、トランプ大統領は、石炭の手頃さと豊富さに言及し、石炭の生産と利用に対する障害を取り除く大統領令に署名した。今回の2つの新たな分析は、石油、天然ガス、石炭の国内生産拡大を重視するトランプ政権のエネルギー政策を裏付ける内容となっている。同時に、これらの分析は、原子力、水力、そして特に天然ガスに対する障害を取り除くための同様の取り組みを支持している。

しかし、大手電力会社が天然ガスや他の手頃で信頼でき、クリーンな電力源を必ずしも支持するとは限らない。電力会社は通常、政府によって保護された独占体制のもとで運営されているため、競合他社に対して優位に立つために手頃な価格の電力を生産する必要がない。さらに、政府は一般に、いわゆるグリーン電力プロジェクトや関連支出に対して、電力会社に約10%の利益を保証している。その結果、電力会社は総利益を増やすために、最もコストの高い電力源を推進するようロビー活動を行うのが一般的だ。

しかし、消費者や送電網の安定性の観点から見ると、天然ガスは手頃さ・信頼性・クリーンさにおいて電力発電のゴールドスタンダードと言える。原子力、水力、石炭もそれに大きく劣るわけではない。

出典:RealClearWire
 

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。
ハートランド・インスティテュート会長。