中国共産党政権が「体制にとって都合の悪い人間」を社会から隔離する手段として、精神病院を利用している実態は、もはや公然の秘密である。
かつての強制収容所のように、「精神疾患」を理由に正当な手続きを経ない監禁が横行し、「被精神病」と呼ばれる現象が社会問題化している。
5月16日、河南省禹州市(うしゅう-し)の街頭で、「被精神病」と見られる場面が撮影された。
通行人の目の前で、1人の女性が医療関係者4人により手錠をかけられ、強制的に担架に押さえつけられて連行されたのだ。
女性は泣き叫びながら、「私の名は李建青、健康だし正気です! 病院がこんなふうに手錠を使っていいの? お願い…助けて!」と必死に訴えた。
(当時の様子)
女性の拘束に関わった1人は、不審に思っている通行人らに対し、「我々は家族の要請により精神疾患のある患者を搬送している」と説明。「これは手錠ではなく拘束ベルトだ」とも主張したが、明らかに金属製の手錠が用いられており、動画を見た多くのネットユーザーから「あれは拉致だ」との批判が噴出した。
その後、女性は一切の抵抗も認められないまま搬送され、その場面を収めた映像は瞬く間にSNS上で拡散され、「また被精神病か」と怒りと不安が広がった。

事態の沈静化を図るため、翌17日、市衛生当局は対応に当たった医師を停職、同行スタッフを解雇したと発表した。これに対し多くの人権活動家は「責任のすり替えにすぎない」と糾弾している。
アメリカ在住の中国人権弁護士・呉紹平氏は、エポックタイムズの取材に対し次のように語った。「この政権は白昼堂々と人を連行し、闇に葬る。それが『合法』とされてしまう。今の中国は、もはや人間が生きる場所ではない。人間の地獄そのものだ」
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