名を晒されたのは、犯罪者ではなく、病気でもない。ただ、生活が苦しくて保険料を払えなかった庶民たちだ。
中国・雲南省の地方都市で、医療保険料未納の住民数十人の名前が、地域の掲示板に実名で貼り出されるという異常事態が発生し、ネット上で激しい波紋を呼んだ。
当局が「反向公示(逆告知)」と称したこの手法に、SNSでは「まるで晒し者だ」「生活が苦しくて払えないだけなのに」といった怒りの声が噴出。中には「医療保険って強制じゃなく自発的加入のはずでは?」と、制度そのものへの疑念を呈する声も相次いだ。
背景には、医療保険制度の深刻な財政危機がある。中国の医療保険資金は、長年にわたる中国共産党の腐敗や無駄遣いで底をつき、もはや保険料収入では支出をまかなえない状態に陥り、多くの国民が、制度への不信や経済的余裕のなさから納付を拒み、当局は、今や「脅したりなだめたり」の手段で、無理やり支払いを迫っているのが実態だ。
今回の「貼り出し」も、そうした強制徴収策の一環だと見られ、当局は「これはただの注意喚起にすぎない」と釈明したが、「これでは逆効果」と指摘された。
SNS上には「これでみんな払ってないことが分かり、安心した。来年も払わないことにした」「支払わない人が多すぎて、張り出しリストが“住民名簿”になる日も近い」といった皮肉交じりの投稿も少なくなかった。
法律専門家もこの行為について、「医療保険の加入は本来任意であり、未納者の名前を無断で公表するのは、明らかに不適切」と批判した。
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