【閲覧注意】本記事には、不快に感じる内容があります。食事前の読者はご注意ください。
中国・浙江省の小学校で、再び食品衛生の惨状が露呈した。
5月23日、余姚市の公立「姚北実験学校」の食堂で、調理機器の「ミンチ機」内部に大量のウジ虫が湧いている動画がSNSに投稿され、ただでさえ揺らいでいた食品安全への信頼がさらに崩れ去った。
皮肉なことに、ウジ虫が湧いていた学校は「省A級食堂」「省食品安全模範校」といった栄誉ある称号を得ていた、いわば「安心校」だったのだが……。

事件発覚
今回の「事件」は、学校が開催した「陽光食堂」と呼ばれる公開イベントの最中に発覚した。このイベントは、保護者が食堂の衛生環境を自分の目で確認できることを目的に行われていたものだ。
その日、ある保護者が、特に念入りに厨房設備を確認していたところ、ミンチ機の内部に無数のウジ虫が湧いているのを発見。すぐにスマートフォンで撮影し、保護者グループに動画を投稿したところ、「どうりで最近、子どもがずっとお腹を痛がっていた。これが原因だったのかもしれない」「うちの子も嘔吐や下痢が続いて、学校に行きたがらない、これのせいか!」といった他の保護者の声が相次ぎ、怒りと不安が広がった。
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腐った肉、異物混入、ネズミの徘徊──繰り返される学校食堂のスキャンダルに慣れきった中国社会でさえ、今回の“ウジ虫事件”は一線を越えていた。
SNS上ではたちまちトレンド入りし、爆発的に拡散。それだけ、親たちが日々感じている「見えない不安」は、深く根を張っており、多くの家庭が「他人事ではない」と感じていた。
世論の高まりを受け、教育局と市場監督当局が調査に乗り出し、問題のミンチ機は封印、食堂全体の消毒作業が行われ、関係者の処分も発表された。ウジ虫が湧いた原因は「使用後の清掃を怠ったため」と説明されたが、それだけで納得する保護者は少なかった。
名ばかりの「模範校」が、実はウジ虫の温床だったという事実に、行政の監視不全や利益優先の運営体制、そして「誰も責任を取らない」まま積み上がった怠慢の連鎖が、子どもたちの口に入る食べ物を危険にさらしていたのだ。
エポックタイムズの取材に応じた現地住民・李さんは「この学校では、教師と生徒の食事が完全に分けられており、内容もまったく違う」と証言した。李さんの弟は過去に食堂のパンからゴキブリを発見したが、保護者の抗議は「外部委託業者の責任」とされ、学校側に揉み消されたという。
こうした問題が起きるたびに「学校関係者も生徒と同じ食事をすべきだ」との声が上がるが、改善の兆しは今も見えてこなかった。
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