中国各地で急速に整備が進んだ地下鉄網が、いま深刻な財政難に直面していた。
2024年、中央政府の補助を除いた実質赤字に陥った都市は少なくとも26にのぼり、中でも黒字経営の象徴とされていた広東省・深セン地鉄では、約334億元(約6600億円)という史上最大の損失を記録した。
利用者の利便性を売りにしてきた都市鉄道が、今や地方財政の“重荷”となったのだ。
こうした危機を受け、各都市では運賃の値上げやコスト削減策に踏み切った。
広東省・佛山市では、より直接的な節約策が実施されており、空調の設定温度を引き上げ、照明を暗くし、エレベーターの運行を一部停止、終電時刻の繰り上げまで行う徹底ぶりだ。この「極端な節約運行」に対し、乗客からは「地下鉄が蒸し風呂のようだ」と不満の声が相次いだ。
電車は動いても、不快適さがいや増して、節約の代償を実感させられる市民たちには、行き場のない苛立ちだけが募った。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。