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ロス抗議デモ沈静化と治安回復 夜間外出禁止令を解除

2025/06/19
更新: 2025/06/19

6月17日、アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス市のカレン・バス市長は、市中心部に課していた夜間外出禁止令を解除すると発表した。現地で続いていた抗議行動や暴力・破壊行為が沈静化したことを踏まえた措置である。

前日、バス市長は夜間外出禁止令の開始時間を午後10時に変更し、商業施設の営業延長を認めていた。当初の夜間外出禁止令は午後8時から翌朝6時までで、アート地区やチャイナタウン周辺を含む約1平方マイルを対象にしていた。

バス市長は声明の中で、「夜間外出禁止令と継続的な治安対策が商店、飲食店、企業、地域社会の安全確保に大きく貢献した。必要があれば、夜間外出禁止令を再導入する用意がある」と述べた。

ロサンゼルス市は6月10日から夜間外出禁止令を実施していた。発端となったのは、数日前に発生した抗議行動である。移民・関税執行局(ICE)が税関詐欺、脱税、資金洗浄事件の捜査中、店舗前で臨時労働を求めていた不法移民の集団を拘束し、市民の反発を招いた。

この抗議行動は次第に暴動へと発展し、商店への侵入や略奪、自動車の放火、高速道路の封鎖などの映像がソーシャルメディア上で拡散した。

トランプ政権の対応

秩序回復のため、トランプ大統領はカリフォルニア州のニューサム知事を通さず、4千人の州兵と700人の海兵隊員をロサンゼルスに派遣するよう指示した。ニューサム知事は州兵の派遣を拒否し、政権を提訴して派遣阻止を試みた。

この法的対立は現在、第九巡回控訴裁判所の3人の判事団によって審理が進んでいる。

バス市長もトランプ大統領の配備決定に異議を唱え、17日の声明では、軍の介入を評価せず、「ロサンゼルス市はワシントンから持ち込まれる混乱に対処している」との立場を示した。

6月16日、ロサンゼルス市警察(LAPD)は6月7日以降の抗議活動に関連して575人を逮捕したと発表し、このうち14人を略奪の疑いで拘束したと明かした。

同日、トランプ政権は、ICEによる農場、ホテル、レストランなどの職場での取り締まり再開を正式に確認した。1週間前には一時停止していたと報じられていた。

国土安全保障省の報道官トリシャ・マクラフリン(Tricia McLaughlin)氏は17日、「大統領の方針は極めて明確である。暴力的な犯罪者を匿い、ICEの法執行活動を妨げる業界には、もはや安全な場所は存在しない」と語った。

その前日、トランプ大統領はSNS「Truth Social」に投稿し、ICEに対し「史上最大規模の不法移民追放作戦」を全力で遂行するよう指示した。特にロサンゼルス、シカゴ、ニューヨークなど、連邦の移民法執行に反抗する「サンクチュアリ・シティ(聖域都市と呼ばれる不法移民に寛容な州や都市)」を名指しで警告した。

マクラフリン氏はまた、「職場での法執行は公共の安全、国家の安全保障、経済の安定に不可欠である。これらの取り組みは、不法就労のネットワークを標的とし、アメリカ人労働者の権利を守り、雇用市場の混乱を防ぎ、重要インフラを危険にさらす行為に対抗するものである」と述べた。

Bill Pan
エポックタイムズ記者。教育問題とニューヨークのニュースを担当。