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沖縄県ワシントン事務所 手続き不備で閉鎖 設立・運営の重大な問題が判明

2025/06/20
更新: 2025/06/20

沖縄県がアメリカ・ワシントンD.C.に設置していた「沖縄県ワシントン事務所」が、手続き上の不備や運営の問題を指摘され、2025年6月13日までに閉鎖されたことが明らかになった。県は既に現地事務所の賃貸契約を解除し、退去を完了している。

この事務所は、2015年4月、当時の翁長雄志知事のもと、米軍普天間基地の辺野古移設反対の意向などをアメリカ側に直接伝える拠点として設置された。しかし、県が営業実態のない株式会社(Okinawa Prefecture DC Office, Inc.)を設立し、その運営に必要な文書や手続きが不十分だったことが、2024年秋以降の県議会で明るみに出た。

県が設立した調査検証委員会は2025年3月、報告書を発表し、事務所の設立手続きや運営方法について「複数の重大な瑕疵(かし)が存在し、違法となる可能性も否定できない」と結論付けた。具体的には、株式会社設立時の知事決裁が行われていなかったこと、定款や出資に関する正式な文書が残されていなかったこと、県職員が実際には地方公務員のままアメリカのビザを取得していたことなどが問題視された。

また、設立から約9年間にわたり、株式会社の存在自体が県議会や県民に公表されておらず、経営状況の報告義務も果たされていなかった。運営費は年間約1億円が計上されていたが、その使途や資金の流れについても不透明な点が指摘された。

こうした一連の問題を受け、県議会は2025年度当初予算案に計上されていた事務所運営費を全額予備費に移す修正案を可決。玉城デニー知事は再議を見送り、事務所の閉鎖を決断した。県によると、6月13日までにアメリカでの法人解散手続きやビルからの退去も完了したという。

県は今後、再びワシントンに事務所を設置することを目指す方針を示しているが、設置方法や体制については専門家の意見を聞きながら慎重に検討するとしている。

今回の問題について、調査検証委員会は「設立や運営の過程で法的な調査や適切な手続きが十分に行われなかった」と指摘し、今後は組織としてのガバナンスやコンプライアンスの強化が不可欠だと提言している。

大紀元日本の速報記者。東京を拠点に活動。主に社会面を担当。その他、政治・経済等幅広く執筆。