防衛省統合幕僚監部は令和7年6月23日、中国共産党(中共)海軍のクズネツォフ級空母「山東」(艦番号「17」)を含む複数の中共海軍艦艇が、太平洋上の海域から南シナ海へ向けて航行したことを確認したと発表した。これに先立ち、6月20日以降、「山東」を含む艦艇群は太平洋上で航行を続け、空母からの艦載戦闘機や艦載ヘリコプターの発着艦も確認されている。
「山東」は沖ノ鳥島(東京都)周辺の海域において繰り返し艦載機の発着艦訓練を実施し、6月7日から16日までの約10日間で合計約230回の発着艦が確認された。これに加え、5月末から6月19日までの期間では、「山東」ともう一隻の中国空母「遼寧」を合わせた艦載機の発着艦回数は約1000回に達していることも明らかにされている。
6月23日、「山東」を含む艦隊はフィリピンの北を通過し、西進して南シナ海へ向かった。これに伴い、もう一隻の空母「遼寧」も中国方面へ向かい、両空母は太平洋から離れた形となった。
防衛省・自衛隊は、海上自衛隊第1護衛隊所属の護衛艦「いかづち」(横須賀)を中心に警戒監視と情報収集を継続している。6月7日からの期間には、航空自衛隊の戦闘機も緊急発進し、艦載機の動向に対応している。
中谷防衛相は20日の記者会見で、中共海軍が「遼寧」と「山東」の運用能力向上や遠方の海空域での作戦遂行能力の強化を意図していると指摘し、防衛省・自衛隊は引き続き両空母に対し厳正な情報収集と警戒監視を行うと強調していた。
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