ブラジル最高裁判所は4日、公判中のボルソナロ前大統領に自宅軟禁を命じた。これを受け、米政権は最高裁の命令を非難している。
ボルソナロ氏は2022年のブラジル大統領選挙の結果を覆そうとした罪に問われ公判中で、SNS利用の全面禁止や足首へのGPS装置の装着などが義務付けられていた。
4日、最高裁判所の判事は、SNSの使用や外国当局者との接触を禁じる命令に従わなかったとして、ボルソナロ氏に自宅軟禁を命じた。携帯電話の使用や弁護士以外の人物との面会も禁じ、警察がボルソナロ氏の携帯電話を押収した。
ボルソナロ氏の弁護士は、同氏が裁判所の命令に違反していないと述べ、判決に対して控訴する意向を示した。
これに対し、米国務省はX(旧ツイッター)で、最高裁の命令を非難し、「制裁対象となる行為を助長・支援したすべての者に責任を問う」と表明した。
また、米国務省西半球局は自宅軟禁命令を非難し、ブラジルのルーラ大統領がブラジルの機関を利用して政治的反対派を黙らせ、民主主義を脅かしていると非難した。「公の場で自己弁護する能力にさらなる制限をボルソナロ氏に課すのは、公共サービスではない。ボルソナロ氏に発言の機会を与えよう」と表明した。
トランプ米大統領はボルソナロ氏の裁判を「魔女狩り」と呼んで中止を求めているとともに、ブラジルへの関税強化の理由にも挙げている。
トランプ氏は先月、「アメリカを含む世界中で非常に尊敬されていた指導者であるボルソナロ前大統領に対するブラジルの扱いは、国際的な恥辱である」と厳しく批判した。
一方、ルーラ大統領はブラジルの司法制度を擁護し、「クーデターを計画した責任者に対する司法手続きは、ブラジル司法府の管轄にのみ属しており、国家機関の独立性を損なうような干渉や脅迫を受けることはない」と述べている。
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